相手を、 深く、 深く、 想い描き。
其の心中を察し、 理解しようと努めれば。
自身の想いは。
限りなく、 相手に近似され得る想いに、 収束し行くだろうから。
相手が、 強く、 強く、 想い描き。
其の心に浮き出る、 何らかの事象に。
其れを、 自分が強く想い描いて居る様に、 錯覚する事も。
或いは。
其の事象に近しい自身の環境に、 注視して、 増幅してしまう事も。
必然なのだろうか。
帰宅後、 再び仕事場へ戻ると、 宣言した俺に。
「寒いよ?」
心配と、 激励と、 情報提供とを含め。
俺を想い、 姫は一言呟く。
違う。
姫は、 俺の感ずる寒さを指摘したのでは無い。
自身の感ずる寒さを、 殊更強く、 俺に表現したんだ。
姫は盛んに。
「寒いよ?」
「姫・・・が?」
「他に誰がいるのよ♪」
此の後に感じねばならぬ寒さを、 強調し続けるけれど。
きっと、 俺の帰宅を待ち侘びる事無く。
飼い猫と、 温まって居るに違いないのにね。
---------- References Sep.12 2004, 「お帰り代わりの平手打ちですか」 |