初めてで在る筈の、 其の、 出来事に対峙して。
然程、 慌てずに対処出来たのは。
恐らくは。
嘗て、 其の痴態を、 此の眼に焼き付けて居たからなのだ。
其れ故に。
寝起きの、 娘の片言と。
在る筈の無い、 冷んやりとした水気にも。
無意識に。
平然と、 応じられたに違いない。
確かに。
姫の、 言葉通りなのだ。
何れ程、 拒絶の想いを強くしようとも。
「何ではいてないの?」
「パンツ履かせ忘れたんだろ?」
「さすが私の娘ね♪」
「履かせ忘れと脱いだのは全然違うだろ・・・。」
姫は。
誇らしげに、 自身を継ぐ娘の姿を、 誉め。
「ちっち〜ぃ!」
娘は。
母の戯れに耳も貸さずに、 濡れた寝間着に、 手を触れるけれど。
---------- References Jun.21 2004, 「脱げる相手なのですか」
|