確かに、 責めを果たして居る様に、 映るかも知れない。
自身の歩んだ道と、 其の結果、 其処に創り上げられた物へ。
正面切って、 向いて居る心算かも知れない。
けれども。
其れが、 望まぬ姿で在ったのなら。
其処に、 常に、 後悔の文字を呼び続ける姿で在るのなら。
其処に注がれる、 数多の想いに対して。
何の責めも、 負っては居ないのだ。
娘を抱え、 輪に交じって踊りながら。
「小坊主家の娘なんだからね。」
事在る毎に、 俺の気概を強い調子で意識させる、 姫の言葉が。
何遍も、 何遍も、 脳裏で繰り返された。
姫自身は。
其の、 門構えの外に在り続けるのだと、 主張するかの様に。
初遠足に、 大はしゃぎする娘が。
余りに、 鮮やかに映った故か。
腰掛け、 此方を観て居る、 姫の視線が。
半ば楽しげで。
そして、 半ば清々したと言わんばかりに、 想えて終う。
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