其処に在る想いが、 意図する相手に、 真っ直ぐ向う事を。
幾度と無く、 伝えているのに。
何度と無く形を変えて、 想いを贈り続けても。
何故か、 届かぬ想い。
二人の言葉が。
何時でも、 何処でも、 正しく重なり逢うとしても。
やはり、 届かぬ想い。
「両想いなんだよね?」 「私の片思いみたい。」
常に片想いであると。
姫はそう感じ続け、 言い続けて来たかも知れないけれど。
「俺も。」 「片想いだって感じる事がある。」
初めて。
同じ想いを抱いて居る事を、 吐露した。
「小坊主。」 「両想いになった?」
「なったよ!」 「大丈夫!」
姫の問いに、 そう応えたけれど。
不安にさせたく無かっただけで。
本当は、 未だ良く分からないんだ。 |