想いを生ずる、 其の機構。
喜びを産み出す、 其の機構。
そして、 快楽を誘発する、 其の機構。
其の、 何れもが。
同一の機構を、 祖とし。
其の、 何れもが。
相対的な比較を礎とする、 機構だから。
零の想いが、 僅か、 一の想いを希ったとしても。
一に、 育ち行く想いは。
一の儘で留まる事を、 許さず。
一が二に、 二が三に。
そして。
求める数の多さに、 何時か、 想いは容量を超過して、 破綻するのだ。
「何も望まなければ。」 「小坊主と言い合いになる事も無いのかな。」
「でも其れじゃ。」 「其処に想いも何も無いよ?」
「そうだけれど。」 「どっちが良いか分からないよ。」
向き逢いながら。
姫は、 時に視線を外して終う。
想いを護る為に。
確かに。
望まなければ、 壊れる事など無いけれど。
残念ながら。
想う事は、 望む事無しに存在し得ない。
想いの破綻は。
決して、 避けられぬ事なのかな。
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