互いの間に定めた、 規範を、 犯して終ったとしても。
其の、 相手の失策を、 そっと陰から補完する事も。
至極当然だ。
けれども。
其処に、 双方向の想いが無ければ。
結局は、 成立しない。
然もなくば。
何方の手段を、 用いたとしても。
気付きと、 注意の喚起は、 自身への断罪と受け取られ。
そして、 失策は非難されたと、 感知されるのだ。
「私はちゃんとやってます。」
俺の言葉を、 非難と断罪としか受け取らず。
頑なに、 正当性のみを主張する姫は。
遂に。
毎夜の乾杯の瞬間をも、 俺から奪った。
唯一、 互いを労う習慣を。
俺に許されて居た筈の、 癒しの時を。
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