其の行為に、 何処迄、 意図が宿るのか。
其れは、 不明瞭に違いないのだけれど。
其処には。
確かに、 機械的な損益以外の要素が、 在る筈なのだ。
其れ故に。
抱かれた、 其の肩越しに。
自慢気な笑顔を、 振り撒き。
自身の満足感を、 露わに、 放つのだ。
唯。
温かい、 或いは寒いと言う、 物理的な損益のみで振る舞うのなら。
俺の腕の中に在る時のみに、 魅せる顔など。
存りはしないのに。
数日前迄。
寝入り端の、 俺の、 温もりを。
泣き喚き、 貪る様に望んで居た、 娘は。
其れで良いのだと、 したり顔で眠りに就き。
「ほら。」 「私だけじゃないんだよ?」
「何が?」
「娘も。」 「湯たんぽがあれば小坊主いらないでしょ。」
姫は。
殊更に、 俺の神経を逆撫でする。
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