雲間の朝日に想うこと


< 本能で想って居ないと言う事でしょうか >


予測と異なる、
或いは想定外の事柄が、
自身に生じた時に。

一時的に、
怒気と、
興奮と、
視野の低下を伴うのは。



人が生物故に、
否応無しに発動する防衛本能の、
副産物で。

決して、
芯の想いから産まれる物では、
無いけれど。







目の前の相手を、
敵視し、
迸りを喰らわせるのも。

飽く迄、
事実なのだ。













待ち合わせに成らぬ事。

予定を御破算にして、
再び、
仕事に戻らねばならぬ事。




直前の電話は、
予測の範囲外で。


防衛本能の中枢は。

其処に、
迎撃の準備と意識の集中とを、
強いたから。




苛々を増し、
無言に成り、
そして、
全く気付かなかったんだ。


















だから姫は。

何時もの様に、
終業の合図を贈って来なかったのか。




 「どうせ私と話すことなんて無いんでしょ。」
 「もっと楽しくおしゃべりできる人と歩けば?」

 「そうじゃなくて・・・」

 「どうして怒ってるか。」
 「気づかないの?」

 「・・・あ。」

 「せっかく行って来たのに。」
 「今夜のために。」

















姫は、
綺麗だった。

整った、
良い匂いの髪を、
風に靡かせて。


2004年11月03日(水)


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2003年11月03日(月) 言葉が泳いで漂っていますか
2002年11月03日(日) 俺の負けですか





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