其の嵩に、 個々の差は在れど。
一つの個体で支えられる、 重みには、 限界が在るから。
自身の秘を。
時に、 他者へと預けるのだけれど。
信頼。 距離。 想い。
自身の秘を、 委ねる事が可能な条件には。
数多在る要素の、 果たして、 何が重視されるのだろうか。
恐らくは。
家族にも、 友人にも、 漏らさぬ秘が。
唯一、 此の手に在ったのかも知れない。
其の秘が。
其の、 身体の異変が。
悪しき物では無いとの、 検査結果に。
「秘かに泣いてたんだ。」 「独りで。」 「お風呂で。」
抑え切れずに放たれた、 日々の、 其の残骸。
「良かった。」 「本当は泣きそうだったんだ。」
ひた隠しにして居た筈の、 秘の重さを。
俺は、 零して終った。
---------- References Jan.04 2006, 「警戒して居る筈では無いのですか」
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