丁寧に、 丁寧に、 想いを贈り。
深く、 深く、 互いに侵食する事で。
未だ、 自身には魅せぬ、 其の姿を。
初めて、 得られるのだけれど。
一方で。
未だに魅せぬ、 其の姿は。
決して、 手の届かぬ領域の存在を、 時に、 暗示する。
藍の浴衣。
短い髪。
自身の知らぬ其の姿を、 何時か、 眼前に獲りたいと。
其の時を、 想い浮かべながら。
其の、 笑顔の先や。
背景の、 門扉の内には。
決して踏み込めぬのだと。
想いと、 嫉妬を、 飲み込んだ。
丘の上の人から贈られた、 母と、 息子の姿と。
「もっと早くに。」 「声掛けてくれれば良かったのに。」
そして、 初めて逢った時の、 其の言葉が。
交互に木霊する。
---------- References Aug.02 2006, 「何方が非ずに相当するのですか」 Mar.10 2006, 「一歩目は何処に在るのでしょうか」
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