新規に、 獲得する経験は。
自身の容量を、 増し。
次なる糧へ、 変化を、 遂げるのだけれど。
一歩、 一歩。
自身が、 歩んで居るならば。
自身の触れる、 其の世界は。
全てが、 初見なのだ。
其れ故に。
別段、 特異では無い筈の世界も。
時に、 想いも拠らぬ領域から、 発生し。
予期せぬ世界に、 戸惑うのかも知れない。
七色の炎が途絶え、 元の暗闇が戻るや否や。
「初めて花火したんだよ?」 「小坊主との初めてって。」 「まだたくさんあるんだよ?」
非難の想いを、 其処に忍ばせながら。
姫は、 そう言うけれど。
寧ろ。
其れを忘れて居たのは、 姫の方なのだ。
「花火買って帰らない?」
何気無いに、 忍ばせた想いへ。
「娘に見せるのね♪」
姫は、 反応すらしなかった。
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