手を携える理由は、 千差万別で。
其処に、 制限や限度や範囲など、 無いけれど。
お互いは。
飽く迄、 同じ方向へ、 顔を向けねば為らぬのだ。
求める利に、 共通項が在るからこそ。
互いが、 手を繋ぎ。
想いの儘、 進む事が出来るのだ。
けれども。
互いで、 新たに定めた航路は。
時に、 自身の航路を歪めた上で、 定められるから。
揃えた筈の、 針路は。
自我に、 常に、 揺らされて居るのかも知れない。
方や、 子を育て行く仕事を、 終えて。
自身の楽しみを求める為に、 歩み始めた筈だった。
方や、 苦難の道へ踏み出す権利を、 得て。
此れから、 其の海原へ漕ぎ出したいと、 願って居たのだ。
故に。
犠牲を強いたのは、 俺が、 姫に、 なのだ。
「今まで。」 「一度も楽しく無かったわよ。」
お互いを、 慮った上で放たれる、 姫の、 其の言葉は。
余計に、 此の身を切り刻む。
納得した上で。
互いの手を、 繋いだ筈なのに。
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