毎年。 毎年。
絶える事無く、 自身が、 触れ続ける物。
其処には。
恐らく、 他者では理解出来ぬ程の、 想いが。
注ぎ込まれて在るに、 違いない。
其れ故に。
毎年。 毎年。
絶え間無く変遷し続ける、 自身の、 如何に因らず。
其処に、 贈り届けねば為らぬと、 想ったのだ。
けれども。
「仕事帰りに行って来たら?」 「お迎えは俺が行くよ。」
俺の、 言葉に。
「疲れて余裕無いかなぁ。」 「元気だったらね。」
姫は、 踊らなかった。
二人で、 初めて出掛けた場所を。
姫から、 初めて譲り受けた、 想い出の場所を。
毎年。 毎年。
何を置いても、 姫が、 向かい続けた祭を。
姫は。
あっさり、 捨て去った。
俺は。
姫の世界を、 奪い続けて居るのかも知れない。
世界を拡げると言う、 建前を。
御立派に、 振り翳しながら。
---------- References Jul.19 2005, 「此の祭は想いに刻まれて居ませんか」 Jul.20 2004, 「必要な時に居ない雄でしょうか」
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