遠く、 遠く、 互いを隔てる障壁は。
常に、 互いの手が触れ逢う事を。
許してはくれぬから。
せめて。
互いに触れる事を許された、 刹那には。
互いの間隙を、 出来る限り排除したいと、 希うのだろうか。
自身の到達へ、 直接、 接触可能な様にと。
相手の到達を、 直接、 感知可能な様にと。
偽りの説得を、 礎に。
薄膜が、 互いを隔てずに済む、 其の周期を。
見計らっては。
互いの距離を、 埋めに、 現れるのだ。
快楽と言う、 欲望を。
上手に、 隠した振りをして。
「始まっちゃったみたい。」 「ごめんね。」
計画の破綻と同時に贈られる、 謝罪の言葉が。
身勝手な欲望へ向けられた、 厳しい皮肉の様に、 木霊した。
謝る理由など、 何処にも無いのに。
---------- References Jul.18 2006, 「初心の様に戯れるのでしょうか」
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