寂寥感だろうか。
温もりが一つ、 其処から、 消えて了う事への抗議だろうか。
不平だろうか。
手が一つ離れて了う事で、 自身のみで、 娘に対峙しなければ為らないからか。
発散だろうか。
単に、 自身の衝動的な苛立ちを、 投げ付けたのか。
答えは、 分からないけれど。
俺が。
深夜に、 家を出て行く事と。
姫が。
一言、 俺に放った事と。
其の二点のみは、 事実に、 違いないのだ。
検診と。 発熱と。 役員会と。
育児に費やした、 仕事の時間は。
深夜で補充するしか無いのに。
「帰って来るな!」
出掛けの俺へ。
姫は、 妥協を許さぬ言葉を、 投げ掛ける。
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