眼前に一つ、 基準と成る壁を、 築き。
其の境界を、 頑なに、 護り続ける事。
其の、 自身を律する想いこそが。
想いが、 臨界に達し、 遷移し、 圧潰して終う事から。
逃れる為の、 其の術なのだと。
本能的に、 知って居るのかも知れない。
其れ故に。
壁の上へ、 更に、 一条の有刺鉄線を張り。
自律に加えて、 痛覚でも、 自身を戒めるのだけれど。
抑も。
想いは、 其の痛みを乗り越え。
想いは、 其の壁を形骸化する物に、 他ならないのだ。
「後戻り出来ないね。」 「お泊まりしちゃったら。」
自身を委ねた、 歯止の、 其の壁は。
自身を律する壁の様に、 振る舞うけれど。
其の想いに、 辿り着いた時点で。
「そうかな。」 「もう戻れないんじゃ無いの?」
壁の役目など、 既に、 失って居るんだよ。
きっと。
---------- References Jun.10 2006, 「間合いを謀って居るのでしょうか」
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