< 呼んでは貰えぬのでしょうか >
限定された一夜に。
其の画を、 想い浮かべた訳では無いから。
正確には。
其の範疇に、 入らないかも知れないけれど。
意識に、 残存する画としては。
飽く迄。
初めての夜に、 違いないのだから。
恐らく、 其の画は。
富士や、 鷹と、 並び称され。
先を暗示しても、 構わない筈だ。
其れ故に。
其の画で、 突き付けられた虚像が。
実像以上に、 鋭く、 身体を貫くのだろうか。
「看護師さんに聞かれたの。」 「『旦那さんにお知らせしなくて良いんですか?』って。」
「出産の時の?」
「だから『良いんです!』って答えたのに。」 「小坊主、来やがったんだよ?」
「言えよ・・・」
初夢。
其の一年を、 暗示すると言われる、 姫の画には。
一つの希望と、 同時に。
一つの、 大きな想いの壁が、 描き出された。
現実には。
立ち会いを許されぬ、 手術で、 出産するのにも関わらず。 |
2006年01月05日(木)
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