窓外から聞こえた、 呻き声に。
慌てて、 視線を向けた時には。
灰の混じった、 白い霞みに。
視界が、 奪われた後だった。
自身を、 削ぎ落とす様な。
表層を走る、 鋭い痛み。
本来は、 柔和な筈の。
叩き付ける様な、 白い羽毛。
想う、 想わざるに因らず。
抗う間も無く視界を奪った、 薄暗い、 冬の景色へ。
辿り着く。
何故に、 今頃なのだ。
何故に今頃、 其処へ、 行き着くのだ。
想いと言う、 まやかしの詞を楯に。
自身が、 軽々しく進んだ道程は。
深く、 深く、 修復不能な迄の軌跡を。
無責任に、 抉って来たんだ。
何度も、 何度も、 浮上する此の痛みなど。
貴女や、 小さな彼に降り掛かる、 痛みに比せば。
僅かだけれど。
俺自身の、 成長を証すかの様に。
徐々に、 増強されて居るのは、 気のせいだろうか。
暴風と、 一瞬にして生じた、 銀世界。
此の地とは思えぬ、 冬の嵐は。
貴女の土地の、 其れでした。
---------- References Oct.21 2005, 「取り憑く様に舞う気でしょうか」 |