其の濃淡や、 大小、 或いは強弱は。
絶えず変動し、 揺らぐ物かも知れないけれど。
本質は。
決して、 互いの相対的な関係の中には、 存在しないのだ。
何方が深いか、 何方が強いのか。
優劣と言う、 相対的な価値観に囚われると。
時として、 想いの本質を見誤るのだ。
絶対的な想いの在処を、 見失って。
俺の行動を、 正確に予測して。
「言うと思った。」
得意気に、 優位を強調して魅せたけれど。
其の瞬間に。
一つの想いを、 失い兼ねなかったのだと。
此の笑顔は、 理解して居るのだろうか。
姫の言葉から。
未だ、 本質を見誤っていない証拠を、 捕捉して。
胸を撫で下ろす。
「産まれて初めて。」 「消灯式を見に行くんだ♪」
親友へ、 得意気に話す、 姫の声が。
居間の方から、 確かに、 聞こえて来た。
---------- References Dec.16 2004, 「物足りない呼び掛けでしたか」 |