唇と、 唇が、 触れ逢う其の寸前に。
自身に、 走る電気の様に。
痛みが、 走るのだろうか。
歓喜の、 踊りでは無くて。
物理的な、 感電でも無いと。
そう、 主張するならば。
其の痛みは。
確かに、 拒絶の意思かも知れないけれど。
自身の、 嫉妬の想いよりも。
自身の宿る、 宿り木の想いを。
飽く迄、 優先する筈なのに。
「止めてって言ってるよ!」
「違う。」 「嬉しい嬉しいって言ってるんだ。」
「違うよ。」 「だって『ぼんっ!』って、一回だけ蹴るんだよ?」
「・・・。」
口付けの寸前に、 姫は、 顔を歪めて。
蹴られた苦痛に、 悶絶する。
姫の内の子は、 妬いて居るのだろうか。
其れとも。
姫自身の拒絶の意思を、 代わりに、 表現して居るのかな。
---------- References Oct.03 2005, 「初めまして故に一瞬なのですか」 Sep.28 2005, 「印象が変化しては居ないでしょうか」 Aug.12 2005, 「胎児が言わせる言葉でしょうか」 |