無責任賛歌
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朝になったら、夕べ、左眼がおかしくなったのは気のせいで、また見えるようになってた、ってんならいいなあと思ってたのだが、やっぱり首吊り縄は2本、ぶら下がって揺れてるのである。 こりゃまた医者に行くしかないなあ、と思って、仕事を半ドンで引けて、行きつけの眼科へ。いつも通り瞳孔を開いて、またかなり丹念に見てもらったのだが、網膜自体は剥離も何も起きてはいないとのこと。そうかあ? 昨日は一瞬、火花が散ったかってくらいに目の前がパパパパパッて「何か起こった」のがわかるくらい、変化があったんだけどなあ。 「でも、右眼と同じで、ヒモみたいなのがぶら下がってて、眼の下のほうに光が反射したみたいになってるんですけど」 「ゴミは確かに浮いてるし、硝子体の後ろの方が剥げてはいますけど、しばらく様子を見ましょう。また一週間後に来てください。もしまた様子が変わったら、すぐに来てください」 様子が変わったときって、「手遅れ」な時とちゃうんかいな。症状がハッキリ出てるのに、何の対応も取れないというのはどうにも落ちつかないんである。
帰宅して、あとはゆっくり休むことにする。しげ、今日は仕事の予定だったのだが、休みを取って、私を「看病」すると言う。別に身動きできなくなったとか、そういうのじゃないから余計なお世話(つーか邪魔)なんだが、「あんたが突然何かに躓いて転んで頭打って死んだらどうすると!?」なんて演技の悪いことを言うのである。「何か」にねえ。確かに部屋の中はちらかっているねえ。しげが食い散らかしたコンビニ弁当のカスがあっちこっちに十数個。 「そんなに言うんだったら、部屋ん中さっさと片付けろ!」 渋々ゴミだけは片付けたが、そのあとすぐにイビキかいて寝こきゃあがったから、やっぱりたいしたモノの役には立っていないのである。身の回りの世話をしたいって言うんなら、せめて洗濯物を干すとか、台所の洗い物をするとか、それくらいはしろよ(-_-;)。
『ゴジラ FINAL WARS』の製作報告記者会見が、昨25日に行われる。 出演者のコメントにはたいして期待できるようなモノはなし。北村龍平監督が「『ゴジラ』独自のルールを変える気はないが、脚本の段階で既に僕の作家性が出ていると思う」と語ってるのは既に不安材料かな。エンタテインメントに「作家性」を打ち出して面白くなるには相当な個性が必要となるんだけれども、この監督にそんなのがあるかねえ? 『JAM FILMS』の一本にしろ、『あずみ』にしろ、『スカイハイ―劇場版』にしろ、そんなに斬新なことをやってるわけじゃないんだけれども、どうも本人だけはすっかり「作家気取り」で、えらくすごいことやってるような気になってるらしいのが何ともねえ。 まあ、抱負と実際の出来は無関係だから、いい方向に転ぶことを期待しましょ。 菊川怜が、「初めて第1作の『ゴジラ』を見たんですけどぉ〜、途中で眠っちゃいましたぁ〜」とか、「宝田明さんがどこに出てたかわかりませんでした。面影なかったんで」とか、えらくシツレイ千万なことを言ってたが、そういうこと喋っても「許される」キャラなんかね、この人は。神田うのかと思ったぞ。 新怪獣「モンスターX」のデザインは寺田克也氏。何となく「エイリアン+シーボーズ」という雰囲気で、あまり強そうに見えないんだけれども、これもデザイン段階と、実際の映像とではかなりイメージが違ってくるものだから、今の段階であまり不安に思うのもナニだろう。他の登場怪獣は、ガイガン、ラドン、ミニラ、モスラ、アンギラス、カマキラス、クモンガ、マンダ、エビラ、ヘドラ、キングシーサー。素直な印象は「何じゃこりゃ?」である。必ずしも人気怪獣とは言えないものも混じってるなあと思うのは40代以上で、北村監督の世代にはこれが「豪華」に感じられるのだろう。アンギラスは待望久しかったけれども、「次はキングシーサーだ!」ってのは特撮ファンの間では常に「悪い冗談」としてしか語られてこなかったんだがなあ。ベビーゴジラが出た時、確か「ミニラにはしない」ということでムネをなでおろしたものだったけれども、もう一回なで上げなきゃならんのかい。これだから昭和40年以降に生まれた人間の感覚は信用できないのである。 まだまだ隠し玉の怪獣が何体か増えるのかもしれないけれど(どうせキングギドラは追加されるんだろうな)、単純に不安になるのは、今の東宝特撮技術陣に、これだけの怪獣を動かせる技術があるんかいな、ということである。結局いくつかの怪獣はCGでゴマカすとか、『怪獣総進撃』の時のバランみたいに、「いたのに全く戦闘に参加してない」存在になっちゃうんじゃないか。 ともかく、これまでずっとゴジラ映画を見てきて悟ったことは(もう30年前から悟っちゃいるが)、「過剰な期待はしないで、デパートの屋上の怪獣ショーとして見るのが吉」ということである。
2ヶ月前の3月12日、東京都で、当時中学三年で卒業間際だった少年ら10名が、「卒業する前に、これ以上ないと言われるような伝説を作りたかった」という理由から、校内で暴れまわった末に放送室を占拠して、授業を妨害するなどしたとして、現在都立高校1年生になっていた彼らを建造物侵入と威力業務妨害容疑(うち2人は、教師らに暴力をふるって教室のカギを奪い取ろうとした強盗未遂容疑)で逮捕。 校内放送を使って約5分間に渡り、映画『バトルロワイアル』のテーマ曲(そんなんあったっけ? と思ったけど、これ、あの「ジャン!ジャン!ジャンジャンジャンジャン!」っていう、予告編だけで使われてたモーツァルトの『レクイエム』のことだったんだね)を流しながら、「皆さんこれから殺し合いをしましょう」などと暴言を繰り返したとか。 底抜けの阿呆はいるなあ、というだけの事件だけれども、よくわからんのは、事件が起こってから逮捕までに、何でこんなに時間がかかったのかってことである。しかも本人たち、ノウノウと高校に進学してるのだ。これって結局、学校がいったんは事件を「揉み消した」ってことじゃないのかねえ。なんだかんだで不問に付したけれども、どこかから、「なんであいつらがお咎めナシなんだ」という声が上がって、今回の告発につながった……ってとこじゃないんだろうか。事件自体の報道より、そういう「コトナカレ」の学校の体質の方をもちっと強く追及してほしいもんだけどね、学校には。でないと今度は「マスコミと学校に癒着があったんじゃないか」って勘繰られることになっちゃうと思うけどねえ。
2003年05月26日(月) すっ飛ばし日記/宍戸錠な男 2002年05月26日(日) マクド&マクド/『濃爆おたく先生』2巻(徳光康之)/『韃靼タイフーン』4巻(安彦良和)ほか 2001年05月26日(土) 恐怖! ウワバミ女の逆襲(完全版)/『人造人間キカイダーTRIBUTE』
2004年05月25日(火) |
『バナナがすきな人』&また来た首吊り。 |
ふと思い出した話。 結婚した時には10代だったしげも、気がついたら立派な30代のオトナになってしまった。これが普通の大人ではなくて、カタカナのオトナだったり、カッコつきの「大人」だったりするのがちょいと問題ではあるが。 最近、しげはあまり私にくっついて行動したがらなくなった。結婚当初はそれこそ金魚のフンの如く私が出かけるところにはくっ付いて行きたがったし(行けるものなら職場にも)、実際、私が単独行動を取ることがあれば(出張とか、しげとスケジュールが合わなくて一人で映画に行ったという程度のことである)、その様子を根掘り葉掘り聞きだそうとしたものだった。「楽しかった?」と聞くのが決まり文句で、映画に行ったときならともかく、仕事の出張に楽しいも糞もない。そんな風に聞かれても答えようがないのだが、何度そう答えても「楽しかった?」と聞くのである。妻である自分がいない時間を、私が楽しく過ごしていることに嫉妬していると言うか、孤独感、疎外感を感じてしまうのだろう。つまりはコドモなのである。 「いい加減、大人になれよ、おれは浮気する気なんて全くないし、お前と離れてたって、お前のことを忘れてるわけじゃないから」 こう説明するのだが、そのこと自体は理解はしていても、感覚は納得していない。 「全然? 一瞬も忘れてない?」 と突っ込んで来る。 「一瞬もってことじゃないよ。仕事してるときにお前のことばかり考えてたら仕事にならんだろうが」 「ほら、見てん」 何が「ほら、見てん」なんだか。こういう無理難題にもいちいち対応してやるものだから、私のこの10年間の精神的疲労は相当なものだったのだが、しげもトシを取ってきて、そんな自分自身が鬱陶しくなってきた、あるいは体力が続かなくなってきたのだろう、「一人で映画に行ってもいいよ」と随分寛容になってきているのである。 しげはその理由を「自分が30代になって、こんなに疲れやすくなると思ってなかったから」と説明するのだが、これまで私が散々、「トシが違うんだから、お前に付き合える体力はないんだよ」と、それこそ口が酸っぱくなり、喉が枯れ、あるときは徹夜するくらい懸命に説明してきたというのに、しげというやつは自分が実際にそういう「感覚」を経験するまでは、納得することができないのだ。想像力が欠如していると言うか、他人を思いやる心が根本的に欠けているわけで、それが「感覚だけで生きている」と私がしげをこき下ろしてるところなんだけれども、今更反省されても、そのこと自体、ズレてやがるよなあ、としか私には感じられないのである。それに未だにしげが私の目が悪いことを認識してくれないのは、正直、ツライ。平気で「あんたがどれくらい見えんかなんてわかるわけないじゃん!」と言ってくれるのだが、どんなに詳細に説明しても(詳細に説明するからなおのこと)忘れてしまうので、こんなのは自己弁護の言い訳なのである。 しげもあちこちカラダにガタが来始めたのだから、もうちょっと相手の体力とかが慮れるようになってくれりゃあなあ、と思うんだけれども。
そう言えば、しげはよしひと嬢と「ミソジーズ(三十路ーず)」というユニットを組んでいるそうな。で、このユニットには第一規約があって、「トシのことは言わない」(~_~;)。 補足事項は、「20代のやつらが、『私たちももうトシよね』なんて言ってるのを耳にしたら、ギロッと睨む」というもの。 ……でも、20代のころ、やっぱり「もうトシね」とか言ってなかったか? 言ってたよな、たしか。そういう事実は都合よく忘れているんだよね〜、結局、若さを僻んでるだけなんだよね〜。で、言いたいのだけれども、私はもう四十路に入ってるんである。いくら僻んだって三十路が来れば四十路が来るのはほんとにあっという間なのだ。とっとと覚悟を決めて、も少しおおらかな気持ちになっていくことを考えた方がいいと思うのだが。
仕事を早めに切り上げて、特急つばめに乗って小倉まで。昨日まで私も忘れていたのだが、芝居のチケットを取っていて、公演日が今日だったのである。昨日、しげからメールが入って、「明日はバナナだよ」とか書いてあったので、「何でわざわざバナナを買うことをメールしてくるのかな」と思ったのだが、これは『バナナがすきな人』という芝居のタイトルのことだった。なんか、しげみたいなマヌケやらかしてるな。 場所は「リバーウォーク小倉」内の「北九州芸術劇場中劇場」。 主宰は近藤芳正さんの一人劇団、「劇団♪♪ダンダンブエノ」なんだけれども、毎回豪華ゲストを招いて、継続公演も今回が三回目である。今回のゲストは中井貴一、いしのようこ、温水洋一、粟田麗、酒井敏也、山西惇。コメディはやっぱりキャラクターだよな、と感心するくらい、それぞれの個性が光っていた舞台。温水さんに子役をやらせたり、酒井、山西、近藤の三氏が犬だったり、もう、アイデアがハジけている。実は一番心配していたのが中井貴一だったんだけれども、デビュー当時、とんでもなく大根だったのが信じられないくらいのコメディアンぶり。人は上達するものである。 パンフレットを見ながら、しげが突然、「えっ! 中井貴一って、佐田啓二の息子だったの!?」と驚いていたので、私の方が驚いた。しげとその手の会話は何度もしたことあるような気がするんだがなあ。もっとも、佐田啓二の名前を知っていただけでもしげの年齢を考えると立派なことなんだろうけど。
再び特急で帰り、帰宅したのが11時。 途中、本屋に寄った時に、突然、左眼に閃光が走った。痛みはないが、眼を揺らすと再び視界の下あたりで光が瞬く。 うわ、もしかしたら……と思ったら、やっぱり次の瞬間、血管のようなものがだらりとぶら下がって来て、視界を遮った。一年ちょっと前、右眼に起こった網膜の剥離、どうやら左眼にも来たらしい。 これまでは右眼の前に血管が垂れ下がっていて(医者は血管ではないと言っているが、飛蚊症について書いた本にはハッキリ血管の残骸だって書いてあるぞ)、その先が首吊り縄のように丸く輪になっていて鬱陶しかった。それが、今度は左にも全く同じのが垂れ下がってきて、しかもやっぱり先端が輪っかになってるものだから、なんだか「どちらの輪に首を入れたいですか?」と誘われているみたいである。 前回は検診で網膜の悪化が発見されていたから、早晩“来る”んじゃないかと覚悟はしていたのだが、今回は予告もナシだから、ちょっとショックである。2ヶ月前の眼科の検診じゃ何も言われてなかったんだけどなあ。前のときも最初は剥離に気が付いてなかったし、今通ってるとこ、やっぱり藪なんじゃなかろうか。 まあ、だんだん眼が見えなくなっていくこと自体は先から覚悟していることだから仕方ないことなのだけれども、もしもまた手術ってことになったら、またぞろン万円が一気にふっとぶのである。治りもしねえ治療にそれだけ金かけなきゃなんないってことのほうが、何か納得いかないんだけどねえ。
2003年05月25日(日) すっ飛ばし日記/エロくて見せられない女 2002年05月25日(土) サヨナラを言いたくない人/『真・無責任艦長タイラー外伝 LOVE&WAR』(吉岡平・森小太郎)ほか 2001年05月25日(金) ドームにぃ、轟くピンのぉ音ぉ♪/『ウインドミル』11巻(橋口隆志)
2004年05月24日(月) |
徒労の木馬。なんつて。……イヤ、つい思いついちゃったので(^_^;)。 |
原稿用紙にして、20枚は書いていただろうか、というコンテンツの原稿が、パソコンがいきなりフリーズして、きれいサッパリ消えてしまった。 ……かなり脱力しちゃったんで、今日は短めに綴る。……気を取り直して、もう一度「同じ文章」を書くのだ。ううう……(+_;)。
今朝、しげは起きられなかったので、職場へはタクシーで。休み明けでそこそこに忙しい一日。トンガリさんは今日も声をかけてもダンマリ。よっぽど仕事のミスを指摘されたことが業腹だったのか……ってこともないだろうな。この人が挨拶一つしないのは、昔からだから。仕事をしてないと言われるのがイヤなのか、トンガリさん、今日は滞ってた仕事を片付けている。いつもこれくらいのペースでやってくれてたのなら、周囲から白い目で見られることもなかっただろうに。
帰りはしげに迎えに来てもらって、晩飯はほか弁で幕の内弁当を買う。料理の材料の買い出しに行く時間がないので、いたし方ないのである。 帰宅して、昨日買った『キューティーハニー』のメイキングDVDを見て驚いたのだが、ただのタヌキ顔だとしか思ってなかった佐藤江梨子が実にハツラツとしていて美しいのである。 そう言えば、昨日庵野監督が、「佐藤江梨子をいかに売るかが最大の目的だ」と忘れ何とか言ってたのを思い出した。昨日まとめた日記では、肝心要のそのことをケロッと書き忘れていたので補足。
あとはまあ、いつも通りネットでニュースとか見てました。北朝鮮から帰国してきた息子さんたちは日本に馴染めるかなあ。今まで信じてきたことが「全てウソだ」って言われることになるんだから、深刻な心身症を起こす危険だってあると思うんだけど。悲劇の危険性も当然想定しているだろうが、それでも前向きに息子さんたちに接していこうとしている蓮池薫さんの笑顔が痛々しく見えてしまう。
2003年05月24日(土) すっ飛ばし日記/穴子に拘る女 2002年05月24日(金) カニの味がわからない/『かしましハウス』7巻(秋月りす)/『焼きたて!! ジャぱん』2巻(橋口たかし) 2001年05月24日(木) 幻想の帝国(改)/『作画汗まみれ』(大塚康生)ほか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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