無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2002年05月26日(日) マクド&マクド/『濃爆おたく先生』2巻(徳光康之)/『韃靼タイフーン』4巻(安彦良和)ほか

 休日だと言うのに体調は回復しないまま。
 昨日は熱もなかったのに、今日は熱がある感じ。と言っても体温計がどこにいったものやら分らないので正確に何度かは解らない。けれど微熱ってとこじゃないのかなあ。熱が出れば早く治るけれど、ただ咳が止まらず鼻水が溜まるばかりというのは病気が長引く証拠のような気がする。
 だいたい医者から貰った薬飲み続けてるのに全然効く様子がないのはどうしてだ。ちゃんと診て処方したのか。悪態つきたくなるのもひたすら苦しいからである。
 フトンから起き上がれないまま、枕もとはすっかり鼻水をかんだティッシュの山。
 独身時代だったら誤解されてるところだな(^_^;)。
 明日からまた仕事だというのに快復しそうな気配がねーぞ、どーしたらいーのだ。


 伊藤俊人さんの死を悼んで、舞台のビデオを見返す。
 『ラヂオの時間』、伊藤さんはしょーもないギャグを飛ばすコメディアン「山田広満」役。映画版では配役が井上順に変更、名前も「広瀬満俊」に改められていたのは昨日の日記にも書いた通り。
 映画版では井上順に遠慮したのか、しょーもないギャグは全てカットされたので、ちょっとここで紹介しておこう。何しろ三谷幸喜の戯曲は本人の意向で殆ど出版されないから、幻のギャグになってしまっているのである。
 「逃げましょう、早く!」
 「俺に構わず、行け!」
 「ボブ!」
 「俺はもう、助からない! 足を挟まれた! ああっ!」
 「人を呼んで来るわ!」
 「そんなことをしてる間に、火の手が回ってしまう! 逃げるんだ! メアリージェーン!」
 「ボブ……」
 「私のメアリージェーン……これだけは分ってくれ、私は心の底からお前を愛して板垣退助!」
 「ボブ!」
 「お前は私の最愛の妻段田男!」
 「どうしてもっと早く言ってくれなかったの!」
 「行け! 火の手はもうそこまで来ている! ルンバを踊りながら逃げルンバ!」
 ……どうです、しょーもないでしょう。
 けど、これを伊藤さんが言うと、なんか妙におかしいんですよ。いや、ホント。
 

 しげは昼から仕事。
 出かける間際に、何か食べ物を買って来てね、と声をかけたけれども、しげはいつものごとく無視。
 こりゃ何も買って来てくれないかもと、仕方なく自転車に乗ってふらつきながら一人でマクドナルドに行く。
 途中、電柱にぶつかりそうになるが、なんとか回避。
 ケツの筋肉も緩みっぱなしなので、自転車に乗ってる時はいいが、降りる時、漏れそうになる。あとでパンツを見たらシミが赤い。やっぱり血便だ。
 とりあえず腹を満たして帰ってきて、あとはまたひたすら寝る。
 そしたら帰ってきたしげ、マクドナルドでハンバーガーを買って来てくれた。
 ……嬉しいけど、だったらちゃんと返事してくれよ(-_-;)。
 そのころには食欲がなくなっていたので、しげが買って来てくれた分は、明日の朝食に回すことにする。


 アニメ『サイボーグ009』第31話「怪物島(モンスターアイランド)」
 うへえっ、「怪人島編」、たった1話でやりやがった……って、考えてみたら最初のテレビシリーズでも1話でやっちゃったんだよな、これ。
 原作じゃあの怪物博士たち、どうなったかわかんないままで尻切れトンボで終わっちゃってたから、キチンと結末をつけてくれたのは嬉しくはあったけど。
 でもやっぱり差別に引っかかりやすいところは殆どカット。
 青年がパーになるところや、「ドクター・セム氏」は原作でも改訂された通り「ドクター・マム氏」に。でもそれじゃカジモドのパロディになってないんだけど。しかもお互いを呼び合うシーンも全くないし。こんなところでたった1話で終わらせちゃうのが惜しい話なんだけどなあ。


 マンガ、徳光康之『濃爆おたく先生』2巻(完結/講談社・マガジンZKC・580円)。
 オタクと言っても、昨今その生態が細分化されているのは、この日記の中でも何度か触れた通り。
 私なんぞは比較的おとなしめなオタクで、映画を見るのと同じようにアニメや特撮も時々見る、程度のものなので、ディープなオタクな方々の前ではシュンとしてるしかないのだが、徳光さんの前にでも出ればただただ話の聞き役に回るしかなかろう。
 一応、一年戦争に間にあった世代ではあるが、私は『ガンダム』を本放送で見たことは数話しかない。高校生当時、私の周囲の熱狂的『ガンダム』ファンと来たら、放課後になった途端に大声でシャアシャアとなにをヘビの鳴きマネしとんじゃと突っ込みたくなるようなミーハー連中が多くて、つい『ガンダム』の価値を見くびっていたのである。安彦良和のキャラも、私は『クムクム』のほのぼの路線が好きだったので、リアルに見せかけたあのデザインは安彦さんらしくないと思っていてハマれなかった。
 何より、当時の私は往年の東映動画をこそ最上のアニメ、と考えていたので、森康二や大塚康生が『ガンダム』を「手抜きアニメ」と批判していた手前、『ガンダム』批判派に回らざるをえなかったのである。今思えばホントに若かったんだなあ。
 今はもちろんそこまで偏狭な考え方はしていないのだが、やはり自分を省みて『ガンダム』オタクとは言いがたいと思う。まずもって、『ガンダム』のドラマやキャラクターには興味があっても、モビルスーツには全く魅力を感じていないからである(だもんでウチには怪獣の食玩フィギュアはあるがモビルスーツの類は1個もない)。
 そういうわけで、「ジオンいかに勝つべきか」の妄想キャラ、キュウシ・ユウダンジのパッションも私はどこか覚めた目で見てしまう。1巻のころは島本和彦的な怒涛の叫びがおもしろくはあったのだが、2巻まで読んで、どうやら作者がいささかマジらしい、と知った時点で、パロディとしての中途半端さにも気づいてしまったのである。
 つーか、アレはハズしてるよなあ。
 本編にないウラ設定を妄想するのは、オタクとして決して間違っちゃいない。しかしそれはあくまでパスティーシュ(贋作)としての性格を持つものでなければ、作品として成立はしない。つまり、元々のガンダムの世界観自体は崩しちゃなんないのである。
 そこに「キュウシ・ユウダンジ」はないよな。『ガンダム』に『奇面組』混ぜてどうする(-_-;)。
 いや、アレはあくまでギャグであってパスティーシュじゃありませんと言うなら、所詮あの「おたく先生」はオタクじゃなくてただのおふざけキャラでしかない、ということにしかならない。
 そこに島本和彦との才能の差が見える。ヘンに理に勝ち過ぎてる分、島本和彦の「いいや、これもアリ!」と理屈を無視してねじ伏せるパワーが、徳光さんにはないのだ。リアルに妄想するなら、もちっと本気で読者が「ウン、その通り!」と納得するような設定を考えてくれないとねえ。でなきゃもっとバカになんなきゃ。ドリル番長くらいじゃまだまだありきたり。
 それにやっぱりザクレロで連邦には勝てないでしょ(^_^;)。


 マンガ、安彦良和『韃靼タイフーン』4巻(完結/メディアファクトリー・540円)。
 え? これで終わり?
 話が殆ど展開しないままで終わったって感じだなあ。
 わざわざアナスタシアのクローンまで作っておきながら、アルクスニス、殆ど利用しきれないで終わっちゃったじゃん。タイフーンだって、あの無駄な扱い方は何? 言ってみりゃ最終兵器なわけじゃん、実際には核ミサイルをぶっ放せないとしても、成層圏まで持ってって自爆させるくらいのケレンは見せてくれてもよかったんじゃないか。
 結局、悪役としてはアルクスニスがコツブ過ぎたってことが物語的に敗因の一つになってるんだよなあ。設定がリアルなのに、肝心の敵をあんな誇大妄想狂と言うか、チンピラレベルのキャラにしちゃ、ギャグにしかならないよ。
 だいたい第2部に入って、いくらかつての記憶を失ったからと言っても、主人公がこんなに目立たなくなっちゃっていいのか。第1部であれだけ世界観みっちり作っといて、なんであっさりと放り出しちゃうんだよ。全てにおいて中途半端だ。
 『ガンダム』にかかるために中断したのか、人気がなくて打ち切られたのか、どっちにしろ「構想半ば」だったんだろうなあ。
 アニメーター完全に辞めちゃった安彦さんだけれど、マンガ家として思う存分に描ききれた作品って、そんなにはない気がする。
 今のところ安彦さんの最大長編の『古事記』は、本当なら『ナムジ』『神武』以降も描き継ぎたかったはずだし、『ヴィナス戦記』も『ジャンヌ』も、どこかシリキレトンボ臭い。『アリオン』と『虹色のトロツキー』くらいじゃないのかな、マトモに完結したって言えるのは。
 まあ、この作品のことはもう忘れてあげるから、『ガンダム』に勢力傾けて頑張ってほしいね。

2001年05月26日(土) 恐怖! ウワバミ女の逆襲(完全版)/『人造人間キカイダーTRIBUTE』



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