雪を見たい、と娘のたまが言う。今年の東京はなかなか雪が降らない。1月に大阪の実家へ帰ったとき、風に舞う雪をほんの数分見ただけだ。タイミング良く「駅から歩いて行ける湯沢高原スキー場」の話を聞いた。子どもが遊べるファミリー用ゲレンデもあるという。今朝起きて、「今日行ってみよう」と思い立ち、10時38分に上野を出たら、12時前に越後湯沢に着いた。
トンネルを抜けるたびに雪国が待ち受けているのを期待したけれど、越後湯沢に降り立っても、風景は茶色まじりで一面の銀世界ではなかった。駅で買った笹だんごを食べながら、歩いてゲレンデを目指す。道路の雪は解けていて、すべる心配はない。路肩に積もった雪も今朝の小雨で解けたせいか、固まって氷のようになっている。雪を触ったたまの感想は「かたい」。絵本で読んでいるふわふわの雪と違うのが不満な様子。
下調べなしに来たので、ファミリーゲレンデの場所もわからず、ロープウェイで上ってみる。ウィンドブレーカーをソリ代わりにしてたまを乗せて引っ張ると、「こわい」。雪だるまを作ろうと呼びかけると、「さむい」「おなかすいた」。ロープウェイの駅から歩いてすぐのところにある「Alpina(アルピナ)」というイタリアンレストランへ行ってみると大正解。本店は湯沢町の岩原スキー場にあるラ・ロカンダ・デル・ピットーレというピッツェリアで、雰囲気といい接客といい味といい、ゲレンデでこんな食事ができるとはと驚くレベル。大きな窓から銀世界をのぞみながら、焼きたての石釜ピザと釜焼きラザニアを楽しむ。大満足で店を出たのだけど、後で「絶景と極上イタリアンコース」なるもののチラシを発見。前菜・サラダ、スープ、ピザ、パスタ、肉料理、デザート、コーヒー又は紅茶がロープウェイ往復料金込みで3500円。ロープウェイが1500円だから、これはお値打ち。知っておれば……と予習不足を悔やむ。年中無休とのことで、緑の季節に来ても良さそう。越後湯沢へはお得な日帰りパックもあるようだし、次回はもう少し予習して行ってみよう。
ロープウェイで麓に下りると、その目の前がファミリーゲレンデだった。ソリを借り、歩いて坂を上って滑る。すべり台みたいで喜ぶかと思ったら、「こわい」「つめたい」「べちょべちょ」。たまがいちばん喜んだのは、大きなお風呂。風呂上がりに濡れた靴下を履くのをいやがり、わが子のひ弱さを思い知らされた。
越後湯沢で感心したのは、土産屋といい飲食店といい、どこもおいしそうな雰囲気を醸し出していること。駅とゲレンデを結ぶ道を歩く間に立ち寄ってみたいお店がそこかしこにあった。名物「もちぶた」を食べてみたかったけれど、たまが寝てしまったので夕食を食べずに帰る。新潟県中越地震を忘れないために地元の青年部が雪で作ったオブフェにろうそくの明かりを灯すところをちょうど見ることができた。東京とはまったく違う風景と空気に触れて、日帰り旅行なのに、ずいぶん遠くへ行ってきたような気分を味わった。
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