2007年02月14日(水)  松井久子監督の第三作を応援する会

差出人「松井久子監督の第三作を応援する会(通称マイレオニー)」の封書が届く。98年に『ユキエ』で映画監督デビューし、02年に第二作『折り梅』を公開した松井久子監督の第三作『レオニー』(仮題)を実現させるための応援ネットワークへの参加を募る案内。昨年、『風の絨毯』プロデューサーの益田祐美子さんの紹介で監督と名刺交換させていただいた縁で送られてきたよう。

リーフレットのキャッチコピーは「レオニーに会いたい」。レオニーとは彫刻家イサム・ノグチ(「イサムノグチ」を変換すると「イサムの愚痴」と出た)の母レオニー・ギルモアのことだという。イサム・ノグチという人物にはとても興味を覚えているけれど、その母のことはまったく知らなかった。日本から来た青年詩人ヨネ・ノグチと恋に落ち、彼の子を身ごもるが、それを知らされた途端、ヨネは日本に帰国。レオニーは混血の子を産み、働きながら一人で育てる。日系人差別から逃れて渡った明治後期の東京で、異邦人のシングルマザーとして生き抜きながら、彼女がわが子に授けたのは、豊かで美しい日本文化……というあらすじを読んだだけでも、この女性をもっと知りたい、映画で観てみたい、という気持ちになる。

題材の魅力ももちろんあるのだろうけれど、松井監督自身にも「この人の次回作を観たい、応援したい」と思わせる強い引力があるらしい。マイレオニー事務局では10万人の応援ネットワークを目指すと意気込んでおり、賛同人にはジャーナリストや作家や大学教授や党派を超えた議員らが名前を連ねている。「最短の目標は、春の製作発表、秋のクランクイン」という段階から「松井監督の第三作」を一緒に実現させようという波が起こっている。多くの人に望まれ、求められ、その思いに押し出されるようにひとつの映画が生み出されるとしたら、送り手にとっても、受け手にとっても、これほど幸せな共同作業はないだろう。レオニーを待望する波がどのようなうねりに成長していくのか、とても楽しみである。

マイレオニーのサイトでも最新情報を見ることができる。3月14日には「あなたの人生の選択〜女性が決断する時」と題して〈新しい、観るカタチ〉10万人キャンペーンのキックオフイベントが開催される。松井監督のほか、賛同人でもあるタレントのちはるさん、衆議院議員の野田聖子さんが出席、アナウンサーの草野満代さんがコーディネイターを務める。レオニーの人生も紹介しながら、「人生の節目で選択・決断を求められる女性」がいかに人生を選び取っているかを語り、考えるトークイベントのよう。入場無料で申込み先着400名を招待。この日記を書いている16日の21時現在、まだ受付中。

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