2009年02月15日(日)  あおいちゃん元気元気!『その夜明け、嘘』

青山円形劇場にて『その夜明け、嘘』を観る。宮崎あおいちゃん、吉本菜穂子さん、六角精児さんの三人芝居。同じ場所で『パコダテ人』を上映したのが2002年のキンダーフィルムフェスティバル。あれから6年半、あおいちゃんは朝ドラヒロインと大河ドラマ主演を務め、すっかり国民的女優になった。『篤姫』の余韻さめやらぬうちに舞台に立ち、映画『少年メリケンサック』公開。どちらもはじけまくって、いい意味で『篤姫』を裏切ってくれて、親戚のおばちゃん的親近感で見守る身としては、ますます目が離せない。

『相棒』シリーズの鑑識役の印象が強い六角精児さん、吉本菜穂子さんともに舞台で観るのは初めて。あおいちゃんは『星の王子様』ぶり。作・演出の福原充則さんの作品を観るのも初めて。新鮮な顔ぶれが見せてくれた『その夜明け、嘘』は、夜を駆けるママチャリの疾走感そのままにスピード感あふれる展開で、気持ちよく楽しめた。スランプで逃げる漫画家(あおいちゃん)と一緒に逃げるアシスタント(吉本さん)、追いかける編集(六角さん)という三人の話を主軸に、漫画家とアシスタントが立ち寄ったファミレスの人間模様や、漫画家の作品に登場するカップルの物語が絡み、さらに別れたカップルがそれぞれの田舎に帰った後の展開まで描いたかと思うと、編集の妻と幼子の話も加わり、ファミレス店主がろう城した模様を伝えるリポーターとキャスターが登場する。それらの話がチャンネルを切り替えるように入れ替わり立ち替わり現れる。

感心したのは、観ていて一度も「今はどのモードなのか」と迷子にならなかったこと。演じ分けた役者さんも達者ぞろいだったけれど、脚本もよく練られている。大胆なシーンのジャンプがうまく決まるたびに、「あそこからここへよく飛べたなあ」と離れ業を見るような心地よさがあった。初日を含めて今日が3度目という人によると、ずいぶんテンポが上がったというから、観客の反応を見た上で映画でいう編集作業をして、つなぎを改良しているのかもしれない。

舞台を横切って客席の外に飛び出し、違うドアから駆け戻って来る(外でも全力で走っているので大変らしい)あおいちゃんが元気いっぱい。全身をめいっぱい使ったオーバーな動きも楽しくて、本人もノリノリで演じているのが伝わってきて、観ているこちらもハツラツとした気持ちになってくる。少年メリケンサックのはじけっぷりもかなりのものらしく、早く観てみたい。

観劇に誘ってくれたのは、『パコダテ人』で大泉洋さん演じる古田はるおの娘、まゆ役を演じた前原星良(まえはらせら)ちゃんとせらまま。パコのときは幼稚園児だったせらちゃんも、もう中学生。パコをビデオで観た人がせらちゃんを見たら、メリケンサック状態だねえと話す。一緒に楽屋にお邪魔して、あおいちゃんにご挨拶。舞台が終わっても元気元気で、充実がにじみ出ていた。

【今日のおやつ】スパイラルカフェのシフォンケーキ

お芝居の前に、中国家庭料理希須林でお昼。今日も行列の大人気で、食後のお茶はスパイラルホール1階のカフェに移動。日替わりシフォンケーキはキャラメルとプラリネ。プラリネという言葉に弱いので、これをチョイス。甘すぎず、軽やかで、ペロリ。テーブルから企画展を眺められるアートな雰囲気気は、このカフェならでは。

2008年02月15日(金)  対岸の火事の後日談
2007年02月15日(木)  マタニティオレンジ78 遅速を愛す哉 
2002年02月15日(金)  ゆうばり映画祭3日目

<<<前の日記  次の日記>>>