2007年02月16日(金)  マタニティオレンジ79 旅行気分の谷中界隈 

穴場のカフェ探しに注いでいた情熱を、今は子連れで出かけられる場所探しに注いでいる。椅子よりはソファ、ソファよりは畳がありがたい。だったらあそこはどうだろう、と益田祐美子さんに教えてもらった日暮里のペルシャ料理屋ZAKUROを思い出した。床に並べた板を囲んで、絨毯に座って食べるスタイル。赤ちゃんを転がしておけるし、イランの家庭で宴会をやっているようなガヤガヤ感のあるお店なので、多少ぐずっても大丈夫そうだ。念のため電話して「おむつを替えるスペースはありますか」と聞いたら、「すみっこで替えてもらっても」。そういう返事を期待していました。

ランチタイムは11時から3時ということで、ピーク時を避けて1時に集合。メンバーはビクス仲間のトモミさんと5か月半のミューちゃん、レイコさんと6か月半のレミちゃん、トモミさんの台東区ママ仲間のユキさんと4か月半のホホちゃん、わたしと5か月半のたまの母娘四組。ナツメヤシをつまみながらシナモンのお茶を飲んでいると、ナン、米、おこげ、オリーブ、羊のヨーグルト、米と野菜のスープ、ペースト状のセロリ、一見ケーキのサラダ(ポテトとビーツらしきもののマッシュを層に重ねた上からヨーグルトがかかっている)、豆のトマト煮込み、羊のスープで煮た丸ごとにんにく、チーズと野菜の春巻き風揚げ物……皿が押し寄せ、床のテーブルを埋めていく。順不同でショートケーキが差し入れられ、すっかりおなかいっぱいでまったりしたところに、「サモサ食べたいって言ってたから」とサモサの中身を大きな皮に包んだ揚げ物が到着。これで1000円。まいりました。娘たちは手こずるほどにぐずることはなく、授乳したりおむつ替えしたりしながら3時過ぎまで居ついてしまう。

ZAKUROは日暮里駅から谷中の商店街へ向かう手前にある。店を出て、商店街をひやかして帰ることに。と、前方から遠近感が狂いそうな体格のいい集団が来る。たくましい肩にカメラや機材を担いだ数人に混じって、あ、まいうーの人だ、と石塚英彦さんとパパイヤ鈴木さんの姿を見つけるが、その二人が小さく見えるほど集団のサイズ平均値が高い。よく食べる番組なのでスタッフ一同増量傾向にあるのだろうか。あちらはあちらで、すれ違いざま、「なんだなんだ、赤ちゃんがいっぱい」「お宮参りか」と反応していた。

商店街は距離は短いけれど食べもの屋率が高くて楽しい。二日前に製造して本日入荷したばかりのかりんとう(210円)を買うと、「前だっこは出るとき足元気をつけて」とお店のおじさん。中ほどにあるパン屋で明日の朝食用のパンを買い、商店街の突き当たりを折れたパン屋でおやつのドーナツを買う。

お茶して帰るというあとの三組とはそのパン屋で別れたのだけど、パン屋を出てバス停に向かって歩いていると、追いついてしまった。途中の店に立ち寄ってたと言う。「たまちゃんに絶対似合うねって言ってた服があるの!」と興奮気味に言われ、みんなでその店まで引き返す。宮 kyuという手作りの服と雑貨のお店。たまに似合う、と噂されていたのは大胆に金魚を配したオレンジのつなぎ。皆さんよくわたしの趣味をわかってらっしゃる。でも、最近はセパレートのものを着せるようになったので、つなぎは卒業しつつある。「60センチの頃に出会いたかったです」と残念がりつつ店内を見回すと、わたしが着られるサイズの服もある。授乳によさそうなAラインの長袖Tシャツを購入。お店の人とのおしゃべりも弾んで、旅先で記念のおみやげを買っているよう。お金とモノを交わすだけじゃなくて、言葉も飛び交って、気持ちも通い合って、こういう買い物って楽しい。

谷中って面白いなあ、また来ようっと、と思いながらバスを待っていたら、「あんたあんた、早く」とおばあさんが駆け寄って来る。到着したバスに赤ちゃん連れのわたしを真っ先に乗せようと、先頭へ誘導してくれたのだった。後から乗り込んだおばあさんは、わたしが席に着いたのを見て、「座れてよかった」とにっこり。これまた土地の人に親切にされた旅人の気分を味わう。

2006年02月16日(木)  『WEL-COME to パラダイス』と少年山賊団
2005年02月16日(水)  不思議なピンクの水、「ナーガ」水。
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