2005年02月16日(水)  不思議なピンクの水、「ナーガ」水。

■『夢追いかけて』に続いて『不良少年の夢』を完成させた花堂純次監督から声をかけていただき、次回作に向けて打ち合わせを重ねている。一昨年の9月にはじめて会って以来、今年1月下旬に再会するまではメールだけのやりとりだったのが、このところは週1ペースで会っている。この人のネットワークは面白くて、『夢追いかけて』を応援する夢追人はもちろん、日本全国にユニークな知り合いがいて、会うたびに「こんな人がいましてね」と面白い話を聞ける。■今夜はプロデューサーたちもまじえた会食の席で「見せたいものがあるんですよ」と取り出したのが、ピンクの水。よく見ると「おーいお茶」のセロファンを脱がせたミニペットボトルに入っているのだが、「ちょっと昔、どん底の科学者に会いましてね。すごい技術を持ちながら無一文になっていたんです。そいつが作ったすごい水です。発光ダイオードなんてもんじゃない。世界観が覆る水です」と真顔で語る監督。「ひょっとして、祈り系ですか?」とプロデューサー氏。「いえいえ、まったく違います。まあ飲んでみてください。明日、体が変わりますから」とすすめられ、紹興酒用の小さなおちょこに一人一杯つぐと、250mlのボトルは空になった。■監督いわく、この水は「オゾンを特殊な工法(特許取得済み)でナノ(10億分の1)メートル単位のバブル(気泡)として海水を含む井戸水に封じ込めたもの」で、「ナノバブル水」とも呼ばれているが、仲間内での呼び名は「ナーガ」水。ナーガは龍の神だそうで、命名者は監督。今年中には「ナーガインターナショナル」という会社もスタートするとのこと。味はほんのり塩味だがまろやか。光に弱く、数分経つとピンク色は茶色く濁ってくる。紫外線に当たると効果がなくなるらしい。元々は産業廃棄物の分解と完全無害化の技術だったが、この水に淡水魚と海水魚、あるいは深海魚さえ同居できることが判明。さらに飲用に応用実験したところ、病気や傷が劇的に回復することが分かった。ノロウイルスも鳥インフルエンザも簡単に撲滅、癌が小さくなったり消えたり……とにわかには信じがたい話が続く。「最新の研究によると、どうやら体の中のスイッチを切り替える力があるようです」と監督。淡水への適応や免疫抵抗など、進化の過程で必要なしとして遺伝子や脳の中に封じ込まれた能力をONにする。つまり、眠っている機能を目覚めさせる水というわけ。これが本当だとしたら、これまでの医学や生物学の常識や理論がことごとくひっくり返ってしまう。■淡水魚と海水魚を同じ水槽に入れる瞬間に立ち会ったことのある監督は、「天動説と地動説が逆転した」ような衝撃を受けたとか。「いったん死んだように見えた魚が勢いよく泳ぎだして、あ、スイッチが入ったってわかるんですよ」。淡水魚と海水魚が同居する水槽を見るだけでも世界観が変わりそう。その水槽、今度の愛知万博(日本国際博覧会)で公開され、日本の誇る最高のナノテクノロジーとして紹介されるという。理解者や支援者に支えられながら不遇の時代を乗り越えてきた研究者(千葉金夫氏)に、ようやく光が射してきたよう。ピンクの水は、長い冬の後に訪れた遅い春の色にも見える。監督が撮りためている彼のドキュメンタリーには壮絶なエピソードもあり、それも研究成果同様ドラマティックだという。夢を追い続けた科学者と、その彼を追い続けた監督。世の中には熱い人たちがいる。

◆イラストレーター・装丁家のなくいさんよりコメント。

 淡水魚と海水魚が…というところで
 クラクラしました。
 すごい。すごい。
 金魚が初めてクマノミを見るかもね!

「金魚が初めてクマノミを見るかもね!」という視点に、わたしもクラクラ。

2002年02月16日(土)  パコダテ人@スガイシネプレックス

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