子どもの頃から年越しはこたつで紅白が定番。今年はダンナの実家のこたつで観て、新年を迎える。印象に残ったのは、『宙船』(TOKIO)、『千の風になって』(秋川雅史)、『瞳』(aiko)、『風』(コブクロ)。これから出産する友だちのために書いたという『瞳』は、自分に向けられている歌のように感じ、『千の風になって』は出産前に新井満さんの書かれた絵本を読んだ感銘が蘇り、心を揺さぶられた。力強い歌は何の演出も加えなくても勝負できる。
広告会社に勤めていた頃は紅白に出る顔ぶれぐらいは守備範囲だったけれど、会社を辞めた上に育児生活ですっかり世間の動きに疎くなり、知らない人たちが次々出てくる。『アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士』というタイトルからしてぶっとんでいたDJ OZMAも知らなかった。ショータイムのようなにぎにぎしさに米米クラブを懐かしんでいたら、突然目が画面に釘付けに。え、トップレス? 女性ダンサーたちがいつの間にか上半身ハダカになっている。出産以来おっぱいの露出にはかつてなく抵抗が薄れているが、それでもわが目を疑った。「びっくりしましたぁ」と司会の仲間由紀恵さんが心底驚いている様子だったので、やり逃げ的パフォーマンスだったのだろう。妙に健康的でいやらしさは感じられなかったものの、まさか紅白で、とたまげた。世間の反応はいかに、と気になっていたら、やはり苦情が押し寄せたようで、わたしは見逃してしまったのだけど、番組内でアナウンサーから謝罪のコメントがあったのだとか。ヌードに見えたのは精巧なボディスーツであるという説明がなされたらしい。ハダカではなく実は着ていました、とは言えお茶の間どころか客席もハダカだと思ったわけで、生放送の破壊力を思い知らされる出来事だった。
紅白終了後あちこちのチャンネルを渡り歩いていたら、さだまさしが画面に現れ、「ハダカで踊っちゃってた人の次の次が僕の出番で」といったことを話していたので注目。「僕の前がアンジェラアキさんで、彼女、初出場でしょう。大丈夫かなあと思ったら、彼女は大したもんだね」とアンジェラさんの度胸を褒めた上で、「アンジェラより生むがやすし」とオヤジギャグを披露。え、さだまさしってこんなに面白い人なの、とチャンネルを固定させたら、NHKの『年の初めはさだまさし』という番組だった。金をかけてない手作り感を売りにしているような肩の力の抜けた雰囲気の中で、さださんが実に生き生きと楽しそうに視聴者からのハガキを紹介したり、歌ったり、「たたきますぞう(多滝鱒造)」という名前のゴルファーという役どころでミニコーナーをやったり。自分のことは「ヒタイガー・ウッス」などと貶めて笑いを取るけれど、人のことは悪く言わない姿勢が、見ていて気持ちよくて、一挙にファンになる。深夜ラジオをテレビで見ているような、お気楽なんだけど、まんまとペースに乗せられて最後までつきあってしまうような番組だった。
そのままNHKをつけていたら、今度はショートフィルム調のステーションブレイクのようなものが流れ出した。「どんな顔なのポポラッチ」と毎回子どもの声でジングルが入り、ポポラッチという名の覆面レスラーと彼を取り巻く人々の短いドラマがあり、最後はNHKに落としこんでいると思われる決めのコピーが入る。局のイメージアップを狙ったドラマ仕立て長編CMとも言えるだろうか。これもなかなか面白くて、どうやって企画を通したんだろなんて思いながら、十話ぐらいあったのを最後まで観てしまった。「エル・ポポラッチが行く」というタイトルで、ちゃんと公式サイトもあった。
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