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JIROの独断的日記
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2014年09月06日(土) 過度の「合理化」がもたらす「不合理」--久しぶりに中央道を走り談合坂SAに寄ったのですが。

◆実は、ものすごい「富士山周辺マニア」です。

書いた途端、なんですが、マニアというと語弊がある。マニアならば、この近辺の観光スポットやら

名物やら、一般のガイドブックには載っていない「面白いところ」などに通暁している、という印象ですが、

私の場合は、20代の独身時代に、誰に話しても唖然とするほど、「これでもか」とほぼ毎週、富士五湖を

ただひたすらクルマで走って、気が向けば河口湖から本栖湖まで真夜中に走り、本栖湖の廻りを1周し、

さらに朝霧高原の方面つまり富士山の西側をとおって、富士山の南側に廻り御殿場から、

また北上して山中湖に抜けて、そこをただ1周して東京に戻る。ただ走るだけのために、走るということを

何百回やったか分からないのです。どうして?と聞かれても説明しようがないです。

好みの問題で、多くの人は、「同じ場所に何度も行ってもつまらないでしょ?」というのですが、

私は、「毎週、東京から100数十キロ離れた同じ場所に同じ風景があること」を確認して、安心するというか、

とにかく独りで走るのが楽しかったのです、その嗜好が何故生じたかは、自分でも分かりません。


◆当時から談合坂サービスエリアにはしばしば寄りましたが。

独りで走るだけといっても、トイレ休憩とか、ちょっと食事するぐらいのことはします。

30年前は今のように富士五湖周辺にコンビニとかありませんが、現地のレストランというか食堂で

ゆっくり食事する時間が勿体ないから、途中の談合坂サービスエリア、又は、河口湖線の谷村(やむら)パーキングエリアに

立ち寄りました。


結婚して所帯をもって、特に子供が生まれると、以前のように「ただひたすら走って帰る」ということは

やりにくく、どうしてもサービスエリアの利用頻度が増えます。談合坂サービスエリアは昔から、

中央道屈指の人気サービスエリアですから、混んでいましたが、昔はまだ、軽食コーナーとは別に

「レストラン」がありました。小さいお子さん連れとか若い人だけなら、軽食コーナーでもいいでしょうが、

年配の方は、そういうスタイルになれていません。多少不味くても「席に座って」「注文して」

「運ばれてきた料理を食べて」「食器はそのまま」店を出る方式が、当たり前です。


◆今、夏休みなのでちょっと行ってきましたが、談合坂は「合理化し過ぎ」です。

今、ちょっと時期を外した夏休みの最中で金曜日から土曜日までたったの1泊ですが、

河口湖畔に行って来ました。

行き(下り)で久しぶりに談合坂サービスエリアに寄りましたが、

2011年11月25日に、中央自動車道初の複合商業施設EXPASAである「EXPASA談合坂(下り)」となった

そうです。

施設自体は新しいのですが、多分あまりにも企業側から見た人件費節約の為の「合理化」を追究した結果、

客に取っては使い難い場所になりました。要するに昔の感覚で言うと、食事をするところが全て昔で言う所の

「軽食コーナー」になってしまい「レストラン」がないのです。

ズラリと並んだ店で好きなものを注文するのですが、出来たら呼ぶからといって、今風ポケットベルのようなものを渡される。

家族がそれぞれ別のものを食べたがったら、子供とかいたら大変です。

今の様に空いている時期ですら、やや、戸惑うのですから、一番混む夏休みの時期など、

何しろ、全ての客がお盆に料理を乗せて自分の席まで持ち帰るのですが、大抵の人は自分のことしか考えて無くて、

客同士が衝突してしまって、他人の頭からカレーライスをぶっかけてしまったとか、挙げ句に「お前が悪い」で喧嘩になったり、

足許のおぼつかないお年寄りが、途中で転んで、食べ物を床にぶちまけた、など、阿鼻叫喚の地獄になるのではないか、

と容易に想像できます。


これは、「過度の合理化がもたらす不合理」です。

企業側にとっては、今まで人(ウェイター、ウェイトレス、レジ係)が提供していたサービスを客自身にやらせることにより

人件費を節約できますから「合理化」でしょうが、客にとっては却って不便ですし、あまりにも経費を節減するために例えば

カレーを注文するとあたかも小学校の給食のお盆と食器みたいなのに、カレーを盛りつけ、なんとスプーンはプラスティックです。

食事後、食器を返却口まで持って行くことまで客にやらせておいて、おカネは今までと変わらないぐらい取るのです。


前述の通り、若い人とか、子供さんが幼くて、レストランでは騒ぎすぎてハタ迷惑になる、というような若い家族はいいでしょうが、

高速道路のサービスエリアはお年寄りも利用するのですから、あれでは、なんのことか分からないと思います。

「普通の」レストランというか、あそこは確か日本食堂でしたが、とにかく昔ながらの「食堂方式」を完全に無くしたのは

どうか、と思います。


◆過度の合理化(機械化)の弊害は、高速道路のサービスエリアに限った話ではありません。

最近、IT技術の進歩にともない、あまりにも急激に「人を減らし、機械を使って客自身に手続きをさせる」トレンドがあらゆる商売に出ていて

それは、企業の側から合理化であっても、客には不便を強いている。「不合理化」です。


随分前からですが、たとえば銀行。窓口で通帳と印鑑で現金出金しか出来なかったころは窓口が閉まったらおわりでしたが、

スキミングとか、フィッシングとかありません。客にATMで自分で手続きをさせておきながら手数料を取るというのも図々しいですが、

さらに、何でも機械でやらせるからATMで暗証番号を読み取られる、フィッシングとか、ネットバンキングの不正ログインで、

預金を盗まれてしまうなどという、かつての「通帳と印鑑」なら、考えられなかったような犯罪が発生します。


また、高速道路の料金徴収をETCにした結果、料金所に係員がいない。結果、認知症の老人が高速道路に入り込むことがあるそうです。

また、認知症ではないけれども、誰にも見とがめられないから、ふざけてわざと高速道路でランニングをする輩もいるそうです。

首都高の各入り口(料金所)手前の掲示版に

「首都高、歩行者通行禁止」

という、当たり前過ぎて、何故、そのような注意を喚起するのか不思議な文字が現れるのは、

そのような背景があるからだそうです。料金所に昔のように料金徴収の係員がいれば、人や自転車が高速道路に

立ち入ろうとしたら、絶対阻止する、或いは、阻止しようとするでしょうが、全部を機械に任せるからこういう新たな問題が起きる。

機械では、決して人の代わりにならないことが、まだまだ沢山ある、ということでしょう。

今更全て機械を無くして、原始的な方式に逆行もできないでしょうが、少なくとも

「全てを機械にやらせる」のは、よく考えないと問題の方が多い。客商売としてお客に失礼です。

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