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JIROの独断的日記
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2003年09月06日(土) 日本の防衛の脆弱性はほとんど、コント

 平和憲法とか、専守防衛というのは、理念としては聞こえがよいのだけれども、いざ、何か起きたときには、どうしようもなくまだるっこしいことにならざるを得ないのが、現在の法律です。

 ある日、突然国籍不明機が東京上空に飛んで来た(どうも北朝鮮機であることは間違いなさそうだが、この時点では飽くまでも推測に過ぎない)。で飛行機の底のふたを開いて、いまにも、爆弾を投下しそうな気配を見せている、とします。このとき、日本はどうするか。

 当然、自衛隊機は、国籍不明機が領空侵犯した直後にスクランブル発進して、国籍不明機(もう、じれったいから、以降、「北朝鮮機」と書きます)にピッタリくっついて飛んで、相手に国籍を問い合わせるが、相手は答えないわけです。しかし、北朝鮮機はいまにも爆弾を日本の首都に投下しようとしている。このとき、自衛隊機は北朝鮮機を射撃できるかというと、出来ない。何故か?自衛隊が行動に出るためには、まず、閣議を開いて、防衛出動なり、治安出動なり、名目をつけてくれなければならないからです。

 唯一の例外は、北朝鮮機が自衛隊機を射撃かミサイルで攻撃してきて、1機墜落した。この場合は刑法の正当防衛に基づき(真面目な話です)反撃できる。

 そうでない限りは、北朝鮮機が爆弾をいくら投下しても、閣議決定が無い状態で自衛隊機が北朝鮮機を射撃して相手のパイロットが死んだら、殺人罪に問われるのです。

 政府はどうするかというと、飛行機をみて、もしかすると、北朝鮮かなあ、と思う。そして北朝鮮に問い合わせをする。ところが、今のところ国交は無いから正式な外交ルートで問い合わせる事はできないから、北京経由かなんかで問い合わせる。

 返事がなかったら、どうしようもない。
 北朝鮮の首領様が「あれはうちの飛行機だよ」と答えてくれたとする。しかし、それでは足りないのです。「あれは、おたくの飛行機で、貴方が命令して、国家の意思として日本を侵略しようとしているのですか?」と訊かなければいけない。そこで、「知らない。勝手に行ったのではないの?」と答えられてしまったら、そこで、また、困り果てるしかないのです。

 もしも、首領様が興奮して、「いかにも、そのとおりだ。日本国は一時帰国させた連中を勝手に引きとめて、けしからんから、爆撃しようと思っているのです。」と日本の主権を侵害する意図を明示したら、ようやくそこで、閣議をひらくことができるのです。

 閣議を開く事はできるけれども、内閣総理大臣は閣議を主宰するだけで、単独決定権はないのです。閣僚の誰かが反対したら、閣議決定が出来ないのです。某宗教団体がバックにいる政党の人が、「仏の心に反するので殺生はできません」といって反対したら、もうだめ。そこからどうするかというと、その閣僚をまず辞めさせる。次にその職を総理大臣が兼任するという手続をとる。その後で、もう反対する者がいなければ、ようやくそこで防衛出動を閣議決定することができて、その通達が自衛隊機に伝わって、初めて自衛隊機は戦闘行動をとることができる。

 しかし、皆さんおわかりのとおり、その間に、首相官邸そのものが爆撃されてぶっとんでいる可能性が高いですね。

 こうなると、殆どコントの世界であるけれども、今の法律をちゃんと守るとそういうことしか出来ない。これが、日本の現状だということです。

 武力を行使しない、というのは原則的には勿論よいことなのですが、一国家として考えた場合、誰かに攻められても、実質的には殆ど自国民を守る事が出来ないというのは、主権が確立していないと思うのです。

 みな、ビビッて憲法改正などに触れたがらないけども、憲法、内閣法、自衛隊法、防衛庁設置法などを、「万が一」の時のために見直さないと本当はいけないのです。日本人は安全保障をアメリカにたより過ぎてしまって、自分では何もしないのが当たり前みたいになってしまっているけれども、あのバカな国家、アメリカ合衆国に全面的に頼りっぱなしというのは、良くないと思います。


2002年09月06日(金) アメリカ建国の歴史

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