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JIROの独断的日記
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2013年04月10日(水) 【音楽】カラヤンのバッハ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン。普段のカラヤン。

◆だいぶ過ぎてしまいましたが4月5日が誕生日でした。

モタモタしているうちにカラヤン(1908〜1989)の誕生日、4月5日から5日も経ってしまいました。

かなりの部分、嫉み(金持ちに対する)から、カラヤンには不当に低い評価が下されているように思います。


カラヤンのレパートリーは、R・シュトラウスや、ワーグナーや、ブルックナー、マーラー、ウェーベルン、

もう少しポピュラーなのだとチャイコフスキーとか、とにかく、フル・オーケストラで「ドッカーン」と鳴らす曲が

中心だと思われていて、確かにピアニッシモからフォルティッシモまでの音量の幅(ダイナミック・レンジ)の広さは

世界一ではないか、これは、カラヤンが30年を費やして訓練した賜だという意味のことを前、第一コンサートマスター、

安永徹さんが仰有っていますけれど、それがカラヤンの全てでは、勿論、ありません。

カラヤンのバッハ、ハイドンはとても良いです。

とにかく、大編成のオーケストラでハッタリで誤魔化せるようなことのない曲を選びました。


◆バッハからベートーヴェンまで。

カラヤンのバッハなんて、「アダージョ・カラヤン」で「G線上のアリア」を聞いたぐらいでしょ?

ブランデンブルクの3番の3楽章です。

ずいぶん前に、カラヤンがこの曲を頭からチェンバロを弾き振りしていたのを映像で見たことがあります

(カラヤンは、もともとピアニスト志望でしたから、かなり弾けたはずです。

引用元はブランデンブルク協奏曲全曲、管弦楽組曲第2、3番 カラヤン&ベルリン・フィルです。


J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲第3番 BWV 1048 第3楽章


Brandenburg Concerto No. 3 in G, BWV 1048: III. Allegro


全然、奇を衒ったところがありません。そういうのはむしろ最近の古楽器の演奏において

頻繁に見られるような気が致します。


次は、ハイドンです。あまり知られていませんが、カラヤンやバーンスタインのハイドンって、いいですよ。

引用元は、ハイドン:交響曲第94番「驚愕」、100番「軍隊」、101番「時計」です。


ハイドン:交響曲第94番 ト長調 「驚愕」第二楽章 アンダンテ


Haydn: Symphony #94 In G, H 1/95, "Surprise" - 2. Andante


カラヤンがまだ元気だった頃に、同じハイドンの有名な「時計」の第二楽章のリハーサルをしている

映像をテレビで見たことがありますが、「時計」のニックネームが付く理由になった、弦楽器の非常に単純な音の刻みに

細かく注文を付け、一方でただ、「レ」の音を延ばしながら、僅かにクレッシェンドしながら、わずかにビブラートをかける

首席オーボエ奏者、シェレンベルガー氏を見てニコッと微笑み、「綺麗だ」といったカラヤンの表情が大変印象的でした。


モーツァルトです。今では大先生のアンネ・ゾフィー・ムターがわずか14歳の時に、

その才能を見出し、音楽家のセンスがモロに現れる、モーツァルトを弾かせたのは、カラヤンの「他人の才能を見抜く才能」

が並ではなかったことを、物語っています。引用元は、 モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3&5番です。


モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番 第1楽章


モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番 第1楽章


モーツァルトの人生は短かったけれども、ヴァイオリン協奏曲3番から5番を聴くと、モーツァルトの「青春の生命力」を感じます。

音が輝いて「見える」期がします。


ベートーヴェンです。


勿論カラヤンは、ベートーヴェン交響曲全集を録音しています。


ご覧のとおり、輸入盤ならば、2千円台です。

交響曲1番のフィナーレです。


ベートーヴェン:交響曲 第1番 作品21 ハ長調 第四楽章


Beethoven: Symphony #1 In C, Op. 21 - 4. Finale: Adagio, Allegro Molto E Vivace


ベートーヴェンは、この交響曲第一番を作曲したときには既に聴力に障害が出はじめていたそうですが、

そんなことは微塵も感じません。火のような音楽への情熱を感じるのは、私だけではない、とおもいます。


◆おまけ:DVD「ドキュメント:カラヤン・イン・ザルツブルク」より。

カラヤンの指揮する姿を映した映像は沢山残っていますが、あれだけをみると何だかナルシスティックな印象を

受けて、カラヤンを誤解するとおもいます。本来カラヤンはあんな感じではありません。

それは、ドキュメント カラヤン・イン・ザルツブルク [DVD]

を見ると、よく分かります。今や大御所ですが、韓国のソプラノ、スミ・ジョーがカラヤンに気に入られる瞬間。

バッハのロ短調ミサのリハーサルだったのですが、カラヤン先生は、スミ・ジョーが大変気に入り、

彼女が「のほほん」をモーツァルトの「魔笛」における「夜の女王」を引き受けたことに呆れ、

もっとよく考えて喉を大事にしないと、いけないよ?と教え諭しているのです。


とはいうものの、コロラトゥーラのテクニックを聴きたくなったのでしょう。

本当に一番大変な「復讐の心は炎のように胸に燃え」ではなくて、

第一幕のアリアを急に歌わせます。

帝王は誠に我が儘ですが、本当に音楽が好きで歌手の喉に気を使う名マエストロであることが、

DVD全体を見ると、更によくわかります。






このDVDは絶対のお薦めです。

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