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2005年04月10日(日) |
「北京の反日デモ、1万人に拡大…日本大使館に投石」 安保理決議を求めよ。(追加あり) |
◆記事:北京の日本大使館に投石、一部は暴徒化
北京市北西部の海淀区で9日午前に始まり1万人規模に拡大した反日抗議デモは、このうち数千人が日本大使館や日本大使公邸に向かい、一部が投石して大使館の窓ガラスを多数割るなど暴徒化した。けが人はいないという。
北京でこれほどの反日デモが起きたのは、1972年の日中国交正常化以来初めてとみられる。
参加者は、日本の教科書問題や国連安保理常任理事国入りへの不満を訴えてデモ行進した後、午後2時(日本時間午後3時)ごろ、いったん終了した。しかし、再結集して「打倒日本」などと気勢を上げ、一部が日本大使館に向かい、武装警官隊の阻止線を越えた。
警官隊は事実上、通過を容認した。
途中、日本の銀行支店や日本料理店を襲い、窓ガラスを割った。
午後8時、大使館前のデモ隊は排除されたが、公邸前ではデモ隊と警官隊のにらみ合いが続き、近くで日本車とみられる車がひっくり返された。
また、市中心部を東西に横切る大通りでもデモがあり、市内は一時騒然とした。大使館側は邦人にデモに近付かないよう呼び掛けた。毎日新聞 2005年4月9日 21時32分
◆コメント:日本大使館(在外公館)は不可侵、と条約で決まっているのです。
各国が海外に派遣している、外交官を長とする団体を「外交使節団」といいます。
外交使節団の構成員、つまり、大使、大使館の職員、その家族には、「外交特権」という特別の権利が与えられています。
外交特権の具体的内容は1961年に定められた、外交関係に関するウィーン条約という国際法で、明文化されているのです。
世界中で、外国の外交使節団を受け入れる国(接受国といいます。今回の事件なら中国が紛れもなく「接受国」ですね)は、各派遣国(日本も当然、大使館を置いているのですから、派遣国です)の外交使節団に対して特別な配慮をすることが義務づけられています。
「外交関係に関するウィーン条約」
第二十二条
- 使節団の公館は、不可侵とする。接受国の官吏は、使節団の長が同意した場合を除くほか、公館に立ち入ることができない。
- 接受国は、侵入又は損壊に対し使節団の公館を保護するため及び公館の安寧の妨害又は公館の威厳の侵害を防止するため適当なすべての措置を執る特別の責務を有する。
- 使節団の公館、公館内にある用具類その他の財産及び使節団の輸送手段は、捜索、徴発、差押え又は強制執行を免除される。
こんなことは、外交官でなくても、各国の政府やとにかく国の中枢に携わる人なら、常識です。イロハのイ、です。
まして、国連の常任理事国である中国が、「ウィーン条約」を知らないでは済まされない。
知っていて、今回の事件を見て見ぬふりをするということは、外交関係の前提となる「外交関係に関するウィーン条約」に故意に違反しているのですから、国家の犯罪です。
昔の国際慣習法だったら、「在外公館の敷地は派遣国の領土の一部」であるという考え方でしたから、今回のような暴動が起きて、中国人が一人でも、一歩でも、大使館の敷地に足を踏み入れようものなら、日本国に対する主権の侵害なのです。
それが、何を意味するか?
極論すれば、それだけで、日本が中国に宣戦布告してもおかしくなかったわけです。
今は、世界中のいかなる国も勝手に宣戦布告して、外国と戦争を始めることは許されません。国連憲章に違反するのです。
しかし、私が言いたいのは、中国が民衆の暴動を放置し、扇動している(警官が余り制止しないのは、中国の意思と見なされても仕方がないと思います)、のは、昔だったらすぐ戦争になるぐらいの重大事件だ、ということなのです。教科書問題云々は、中国人の行為の違法性を阻却しません。
こういうことは、日本と中国の外務省の木っ端役人同士に任せてはダメです。 最低、外務大臣が解決に当たるべきです。
既に、町村外相は駐日中国大使を呼びつけて、抗議しているけれども、そんなことでは、連中は平気でしょう。
ならば、仕方がない。内閣総理大臣にご登場いただきましょう。
国連常任理事国のひとつである中華人民共和国が、こともあろうに、ウィーン条約に違反するという、重大なる違法行為を公然と行っているのだから、国連安保理決議を要請するべきです。当然、大ごとになります。おおごとにしなければ、だめです。
やむを得ません。「ついに、日本人の堪忍袋の緒が切れ」かけている、ということを国際社会に訴えるべきです。
◆追記:陛下と総理大臣が少なくとも合計17回中国に対して公式に謝罪している。(The Economist)
イギリスの"The Economist"という雑誌があります。
その名が示すとおり、元来は経済誌ですが、世界情勢に関して、完全ということはあり得ないけれども、かなり正確な情報を提供し、公平な論説を加えるということで、世界的に信頼を得ています。電子版"The Economist"は4月8日付の"History that still hurts"(未だに消えない歴史の傷跡)という記事があります。
これによると、1972年の日中国交正常化以降、日本は中国に対し、第2次世界大戦中に日本が、中国で行った諸々について、天皇陛下と総理大臣併せて17回、謝罪しているそうです。
どうして、日本の新聞は書かないのだ、と思いますが、この件に関しては、当事国ではない第3国のメディアが伝えた方が信頼性が高い。
中国人は、回数が多ければ良いものではない、と云うでしょうか。
そうは言わせません。
天皇陛下は日本国憲法によって、「日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴」とされている人です。そして、内閣総理大臣は、本当は大統領じゃないから内閣全体が連帯して行政府の責任を負うのですが、対外的には、どう見ても、日本国の政治・外交の最高責任者です。
この陛下と総理が合計17回謝って、ODAで3兆円という、気の遠くなるような多額の資金を国民の血税から捻出して中国に与えたというのに、「日本は謝っていない」とは、どうしても納得がいかないですね。
但し、中国には思想言論の自由はなく、情報も統制されているので、今回騒いでいる一般大衆は、17回の謝罪も、3兆円のODAも、全く知らないのです。思想・言論の自由が認められていない、封建的国家が国連の常任理事国なのですから、笑ってしまいます。
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