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JIROの独断的日記
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2006年04月10日(月) 「小沢代表、首相の靖国参拝を批判…A級戦犯合祀に問題←合祀されているか否かは関係ない。

◆記事1:小沢代表、首相の靖国参拝を批判…A級戦犯合祀に問題

民主党の小沢代表は9日のNHKの報道番組で、小泉首相の靖国神社参拝問題について「小泉氏の(参拝で)は駄目だ」と批判した。

その理由として、「俗にA級戦犯と言われる人たちは戦争で死んだわけではない。日本の国民に対し戦争を指導した大きな責任があり、

本来靖国神社に祭られるべきではない」とA級戦犯の合祀(ごうし)に問題があることを挙げ、「戦争で亡くなった人たちの御霊(みたま)を守る本来の靖国神社の姿にかえり、

天皇も首相もちゃんと参拝すればいい」と述べた。

来年の参院選に関しては、「参院選で与党側の議席の過半数割れを何としても実現する。そうすれば、与党は片側(だけの過半数)になる。

『ポスト小泉』がだれでも大して変わらない。我々がしっかりすれば、国民は支持してくれる」と語った。 (読売新聞) - 4月10日11時5分更新


◆記事2:A級戦犯合祀に介入できず=靖国参拝批判に反論−小泉首相

小泉純一郎首相は10日昼、小沢一郎民主党代表が首相の靖国神社参拝を批判したことについて「中国がいけないと言うからいけないのか、戦没者に哀悼の念を表するのがいけないのか、よく分かりませんね」と反論した。

また、小沢氏がA級戦犯合祀(ごうし)を改めるべきだと主張したことに関しても「政府が言うべきことではない」と指摘した。

首相官邸で記者団の質問に答えた。 (時事通信) - 4月10日15時0分更新


◆コメント:内閣総理大臣は在任中、24時間、365日国家機関である。

内閣総理大臣は行政府の長であるから、国家機関である。私人として参拝したというが、内閣総理大臣の地位に有る限り、1日24時間、1年365日公的な機関です。だからこそ、常に護衛が付き、食事に行くときや、観劇に出向くときにも公用車の使用が許されているのです。
私人として参拝するなら、自分で首相官邸から、誰も護衛を伴わず、徒歩なり、自転車なり、タクシーを拾うなりするべきです。

小泉首相がそのような形で靖国神社に参拝した、という話は見たことも聴いたこともありません。



靖国神社に小泉純一郎内閣総理大臣は参拝するべきではない、という意見を表明すると、総理本人も世論もムキになって「中国や韓国のいいなりになるのかっ!」と激昂しますが、

どうして、それ以前に、政教分離を定めた日本国憲法第20条第3項を思い出さないのでしょう?

日本国憲法第20条【 信教の自由、国の宗教活動の禁止 】

第一項 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。

第二項 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。

第三項 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。


多分、小泉首相という人は、憲法を隅から隅まで読んだことがないのでしょうね。

内閣は行政府で、その長が内閣総理大臣ですが、
日本国憲法 第六十七条 第一項 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。

のです。さらに、
第九十八条 第一項 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。

と定められています。さらに、
第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。


のです。ところで、或る行為が憲法に違反しているかどうかは、誰が判断するのでしょう?
第八十一条 最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。

最終的に憲法適合性を判断するのは最高裁ですが、通常の学説は「現行憲法では,裁判所が一切の法律・命令・規則又は処分の実質的な憲法適合性の審査権をもつことを認めた〔憲81〕。

すべての裁判所がこの権限をもつが,最高裁判所は終審裁判所としてこの権限をもっているので,憲法の具体的意味は,終局的に最高裁判所によって確定されることになる。」と解釈しています。

下級審(地裁、高裁)も違憲・合憲の判断を下す権限を与えられているのです。



記憶に新しいところでは、昨年9月30日、大阪高裁はH17. 9.30 大阪高等裁判所 平成16年(ネ)第1888号 損害賠償請求控訴事件で、「よって,被控訴人小泉が被控訴人国の内閣総理大臣として敢行した本件各参拝は,政教分離原則に違反し,明確に違憲である。」との判断を下しています。

このとき、この部分は判決主文ではなくて、「傍論」に相当する部分だから、無視せよという意見がありました。

しかしながら、我が国の裁判制度には憲法裁判所は存在せず、違憲訴訟というのは単独で起こすことが出来ない。このため付随的違憲審査制を採用しています。

これに関しては、私が、2005年10月9日の日記で説明しているので、読んで下さい。


◆司法権の独立

三権分立は市民国家の常識です。初めにこの思想を「法の精神」という本で書いたモンテスキューは1755年没。250年前です。我が国の憲法にも、

日本国憲法第76条第3項「すべて裁判官は,その良心に従ひ独立してその職権を行ひ,この憲法及び法律にのみ拘束される」

と明記してあるのです。

しかし、小泉首相というのは、そんなことも分からず、10月25日に、小泉首相の公式参拝、憲法違反でないという「閣議決定」を行っています。

今日も、記者に「介入できない」と云っていますね。

司法の判断を無視して良いということですね?独裁制国家ですか?ここは?

問題外。司法が「違憲だ」と判断した行政府の長の行為を、行政府自身が「合憲だ」といってしまっては、日本は「三権分立」の意味も分からないアホだ、ということになります。


◆結論

戦犯が合祀されているか否かにかかわらず、また近隣諸国が何と言っているかが問題なのではないのです。

我が国の法規と、首相の参拝の実態を考え、「内閣総理大臣の公式参拝は違憲だ」、と司法が判断したのですから、内閣総理大臣は公式参拝を行ってはいけないのです。

おしまい。


2005年04月10日(日) 「北京の反日デモ、1万人に拡大…日本大使館に投石」 安保理決議を求めよ。(追加あり)
2004年04月10日(土) 「首相が中東のテレビで人質解放呼びかけ、政府検討」「3万ドル渡して解放 韓国人」(米紙)「劣化ウラン弾で米兵汚染、サマワで」
2003年04月10日(木) アメリカに「世界は自分たちの思い通りになる」と思わせてはならない。

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