JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事:スペイン、ジャンク級へ格下げのリスク=ムーディーズ(ロイター 4月9日(火)21時40分配信) 格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは9日、現在「Baa3」としているスペインの格付けについて、 ◆コメント:アベノミクス期待で、日経平均株価が上昇しても欧州危機は終わっていないのです。 これは、スペインの特定の民間銀行が危ない、ということではありません。 おめーら、いい加減にしろよ? という声も多々あがっているのですが、今のところまだ生きながらえております。 二大格付け機関のひとつ、ムーディーズという会社がスペインの信用力が著しく衰えている、と発表したというのですが、 これは、現在、御存知のとおりヨーロッパはEU(欧州連合)として、一つの経済地域とみなされますので、 ドイツなんかは、まあ、大丈夫なんですけれども、スペインというかなりEUの中では大きな国、その国家の信用力が 怪しい、となると、EU全体の信用力に関わるのです。 すると、ヨーロッパの国々の国債の価格が暴落するので、ここに投資しているアメリカや日本の投資家が 下手をすると大損します。 また、国債だけではなくて、スペインがまず一番ですけれども、ヨーロッパの銀行などの信用力に疑問符が付きます。 以前にも書いたことがありますが、世界中の金融機関というのは一つのネットワークになっておりますから、 スペインの銀行一つぐらい潰れてもいいや、という訳には参りませんで、必ずその銀行に他の銀行なり何なりが 短期金融市場という所でおカネを貸しています。そのおカネが帰ってくるのをアテにして別の所から資金を借りていたとすると、 たった一つのスペインの名前を聞いたこともないような銀行が資金繰りが付かなくなっただけで、その影響はドミノ(将棋倒し)的に 極端に言えば、全世界に波及する危険性があります。この危険を「システミック・リスク」といいます。 ですから、他人事(ひとごと)ではないのです。日本の投資家が直接スペインの地方銀行に投資していることは 殆どないでしょうが、ヨーロッパの他の銀行には投資しています。また、アメリカの銀行や証券会社などにも投資しています。 ドミノ式資金繰りショート(不足)が回り回ると、日本の投資家が持っている海外の国債や社債や、株が紙屑になります。 その損失を埋めるには、商売の元手である「資本金」を取り崩さなければならなくなります。これは最悪でして、 資本金を取り崩すこと=その会社の信用力が低下する→資金を調達しにくくなる、という悪循環が起きます。 こういうのがものすごい規模で起きたのが2008年9月15日のリーマンショックに端を発する世界金融恐慌です。 スペインの格下げで、そこまでの大波乱になるとは、おもいませんが、日経平均がノーテンキに上がり続けることは できなくなるでしょう。新総裁の下で日銀が「大胆な金融緩和」を実行すれば、日本は安泰というほど、 世の中は、単純に出来ておりません。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2012年04月09日(月) 「大飯原発「安全性おおむね確認」…再稼働要請へ」←呆れてものが言えません。
JIRO
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