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JIROの独断的日記
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2012年03月23日(金) 「首相「間に合わない」と強調 増税先送り困難」←「増税」前に4号炉が壊れたらおしまいだとおもうのですが。

◆記事1:首相「間に合わない」と強調 増税先送り困難(東京新聞 2012年3月23日 20時44分)

野田佳彦首相は23日午後の参院予算委員会で、消費税増税を柱とする

社会保障と税の一体改革に関し「歳出削減や政治・行政改革、経済再生も

やらなければならないが、全部の条件が整ってから議論するのでは間に合わない」

と述べ、先送りは困難だとの認識を重ねて強調した。

 経済状況によって増税を一時停止する景気条項について

「(2008年の)リーマン・ショック後のような非常に経済が落ちた状況で

税率を上げるべきでない。総合的な判断が必要だ」と指摘した。

岡田克也副総理も一体改革の必要性を訴え「年金などの将来不安の中で、

消費せず貯金することが景気の足を引っ張っている」と理解を求めた。


◆記事2:榊原元財務官:消費増税、今は議論凍結すべき−将来税率20%必要(ブルームバーグ)(2012/03/23 12:52)

青山学院大学教授の榊原英資元財務官は、日本経済が本格的な回復に至らない中、

消費税率の引き上げ実施はもちろん、増税に向けた議論すらも控えるべきだと主張する。

国債増発を伴う財政出動などで景気を十分押し上げた後で、

消費増税による財政再建を図る必要があるという。

榊原氏(70)は21日のインタビューで、景気回復が不十分なうちに

「増税の議論はまずい」と発言。消費税率が「将来上がると思うと景気にマイナスの影響が出る」ため、

「当面は議論自体も止めるべきだ」と説明。

ましてや、法案に追加増税の条項を盛り込むのは「本当にまずい」と批判した。

榊原氏は「財務官僚が増税を推進するのは当然」だが、

政治家が「あまりにも『財務省的』になり過ぎると失格だ」と指摘。

野田首相の「生真面目な姿勢は評価する」が、景気動向を踏まえた総合的な判断で

一日の長があるのは小沢一郎元代表だと述べた。「中長期的には消費増税が必要なのは

小沢氏も分かっている。だが、今やってはいけないという話だ」と説明した。

榊原氏は、早期の増税は避けるべきだとしながらも、

「中長期的には消費税率の引き上げできちんと財政再建を図らなくてはならないのは明らかだ」と指摘。

高度経済成長期のような「5−6%の物価上昇はあり得ない」ため、

「インフレによる(実質的な)債務帳消しは無理だ」と強調した。

消費税率は「中長期的に 15%くらいまで」引き上げる必要があると分析。

その上で、日本は「ヨーロッパ型の福祉国家にすべきだ。

福祉を拡大するなら、将来は20%もあり得る」と語った。


◆コメント:首相も学者も、「日本は当然この先何十年も今までどおり存続する」ことを前提としている。

野田首相はとにかく消費税率引き上げが、首相として最も優先するべき仕事だ、と考えている。

景気が十分回復してから消費税率引き上げの議論を始めたり、或いは法案の決を採るようでは「間に合わない」という。


一方記事2では、榊原元大蔵省財務官が、今の日本の景気で消費税引き上げは、無茶だが、「長期的には」

増税もやむなし、という。


国の財政をどうするか、を考えるのは行政府、立法府の重要な仕事であるけれども、

あまりにも当然のことながら、国の経済について議論するのは、その国家が存続することを前提としている。


野田首相も、榊原元財務官も、両者の意見を報道するメディアも、その前提に関して全く触れていないが、

前の記事

福島原発4号機の使用済み核燃料プールが壊れたら、(東京も含めて)「おしまいです」(小出助教)

で書いた通り、福島第一原発の4号炉で、使用済み核燃料プールが壊れ、または、亀裂が入るなどして、

使用済み核燃料の冷却水が漏れだし、あるいは無くなったら、今よりも一層激しく放射性物質の拡散がはじまり、

専門家の小出裕章京都大学原子炉実験所助教の言葉を借りるなら、
日本はおしまい

だという。仮に、4号炉が破壊しても結果的に(具体的には想像出来ないが)何らかの好運で、

日本がおしまいにならないかもしれないが、それは、結果論である。

危機管理の原則は「最悪の事態を想定する」ことだ。去年の日本を見ればわかるだろう。、

昨年3月11日を境に、日本は変わってしまい、元に戻らない。

誰も想像しなかったような大規模、広範囲、複合的な災害が日本を襲っている。

もう一度、福島沖で地震が起きて4号炉が壊れたらおしまいなのであるから、

「間に合わない」ことを恐れなければならないのは、税金ではない。それは所詮「カネ」の問題である。

何よりも優先されるべき課題は、日本国を存続させることである。

4号炉の使用済み核燃料を何とか容器に密封して、別の場所に移し、冷却し続ける方法を考えることである。

政府の計画では「来年の12月」から始めるそうだ。

今の政治家たちの思考に任せていると、カネの話をしている間に日本が消滅してしまうかもしれない。

「全ては相対的だ」という英語の決まり文句があるが、今の日本は、まず国家の存続が

絶対的に最も優先されるべきことである。

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