JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事:日本音コン:ホルン部門は日橋辰朗さん優勝(毎日新聞 10月25日 21時53分) クラシック音楽界への登竜門、第80回日本音楽コンクール ◆コメント:極めて私事ですが、2年前に、日橋氏の演奏を生で聴いて驚嘆しました。 今日は、完全に自己満足のために書く日記です。 2009.11.16 マリス・ヤンソンスのリハーサルを見学する幸運に恵まれました。 当時私の、主目的は、マリス・ヤンソンスという指揮者が、 東京音大の学生オケと「幻想交響曲」終楽章のリハーサルを行う、 まあ、はっきり言って「稽古をつける」のを見ることでした。ブログ記事も そのことにかなりの紙面を費やしています。 しかし、偶然ながら、と言っては失礼なのですが、 この催しの後半に、東京音大の学生のみによる、 「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」木管合奏版が演奏されました。 ピアノ、フルート、オーボエ、ホルン、ファゴット、クラリネット。それぞれ選りすぐりの 上手な学生さんで、ホルンが当時はまだ学生の日橋辰朗さんでした。 余りにも見事な演奏で、心底感心したのです。 父親がホルン奏者だった作曲家、リヒャルト・シュトラウスの作品、 「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」には、演奏開始まもなくから何度も ホルンが演奏する有名なソロがあります。 これです。 「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」ホルン・ソロ。 Till Eulenspiegels Beginning これは、マリス・ヤンソンス指揮、オスロ・フィルですが、このホルンよりも 日橋氏の方が上手い。ホルンはマウスピースの口径はトランペット並ですが、管が長く 非常な低音が出ます。このソロは一旦高音域まで上がって一気に駆け下りる。 その時に低音をずっしりと鳴らさないと、サマになりません。 日橋辰朗氏のこのソロを聴いて私は「ただ者ではない」と思いました。 無論、これだけではわからないけれど、「ティル」ではホルンの難所がいくつも あるけれど、日橋辰朗氏の演奏は極めて安定していて(安定していないホルンは なんとなくわかります。難しいソロが近づくと客であるこちらがヒヤヒヤします)、 最後まで、ただの一音もミスが無かった、という最低限の次元ではなくこの難しい楽器で 音のコントロールが完璧だと思いました。 余りに素晴らしい演奏で感激したので、終演後、ロビーを通っていた日橋氏を 私は素人の分際で生意気にも呼び止めて、 あなたのホルンは素晴らしいね! と言いました。日橋辰朗氏は覚えていないかも知れないけれど、 彼のホルンは私が40年音楽を聴いてきて、最も上手い日本人のホルンの演奏だったので どうしてもその興奮を伝え、讃えたかったのです。 そして、日橋氏は将来、必ずや大輪の花を咲かせてくれるだろうと確信しました。 日本音楽コンクールが音楽家のゴールでは勿論ないけれど、第1予選を受けたのは 124人です。本選に残れるのは4人です。優勝できるのは勿論、1人です。立派だと思います。 これから、ソリストになるのか(ホルンのソリストはなかなか難しいと思います)、 オーケストラプレイヤーとして活躍するのか(これが一番現実的です)、いずれにせよ。 また、日橋辰朗氏のホルンを聴ける日を楽しみにしています。 確実に聴けるのは、まず放送日程が、日本音楽コンクール公式サイトにあります。 第80回日本音楽コンクール放送予定 そして、日本音楽コンクール各部門優勝者は、「受賞者発表演奏会」という 晴れ舞台が待っています。大抵翌年の3月頃です。 今年は東日本大震災が起きたので、実際は行われたかわかりませんが、 去年のコンクール(第79回)「受賞者発表演奏会」のスケジュールが公式サイトに 載ります。 北海道から九州まで6回もの公演があります。来年はまだどうなるか分かりませんが、 優れた若い才能は、誉め称えるべきです。祝福され、称讃されて怒るバカはいません。 私は、日橋氏の演奏を是非、聴きに行きたいと考えていますが。 数ヶ月先のことですが、皆さんにもお薦めします。若い青春のエネルギーを音楽に捧げた 若人の熱演は、胸が熱くなりますよ? 話が逸れてしまいました。一番書きたかったのは、私が自分の耳にまた少し自信を持った と言うことです。 私はずっと独りで音楽を聴いてきました。正規の音楽教育も受けていません。 演奏を聴いた後で、今の演奏だったか、自分だけで判断するしかありません。 しかし、日橋辰朗氏以前にも、まだ無名の学生さんや音楽家で、 私が、「この人はいいな」と思った人々は、皆、後年活躍しています。 無論、一素人の「勘」の域を出ませんが、長く聴いてきて、それなりの 「耳」はあるのかな、と自惚れて、少々はしゃいでいます。 前述のとおり、完全に自己満足なのですが、久しぶりに「嬉しいこと」 を経験しました。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2010年10月25日(月) 「首相 審判真摯に受け止める」←主権者は誰か。
JIRO
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