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JIROの独断的日記
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2011年06月16日(木) 【音楽】初めて取り上げます。グリーグ。

◆6月15日がグリーグ(1843〜1907)の誕生日でした。

ノルウェーの作曲家、エドヴァルト・グリーグです。

何と言っても、あの、ティンパニのロール(連打)からいきなり、ソロ・ピアノが

フォルテで入ってくる「ピアノ協奏曲」が有名です。

私は、世の中の多くのクラシック・ファンが、「隠れた名曲」を発掘したり、

ブルックナーなど、大曲を論ずるということ(それは、全く自由であることは

言うまでもありません)とは対極に位置しておりまして、

これでもか、というほど、既に十分に知られた「泰西名曲」を

クラシックに馴染みの薄い方にも、知って頂くことに傾注しております。


そのような方針にも関わらず、ときどきとっくにご紹介していておかしくない

作曲家や曲をまだ取りあげていないことに気がつきます。


このグリークなど、典型です。年表をみていて、グリークの誕生日が、

1843年6月15日であることに、やっと気がつきました。


◆学校の「音楽」の授業で「ペールギュント」を聴いたことがありませんか?

私の頃には多分、東京公立中学、「音楽」の学習指導要領だかなんだか、

そういうもので規定されているのか、「音楽鑑賞」の曲として、グリーグの

「ペールギュント」が指定されていたのかも知れません。

御存知の方が多いです。


カラヤン=ベルリン・フィルのCDでグリーグと、同じ北欧(フィンランド)の作曲家、

シベリウスを1枚に収めたのがあります。

カラヤン=ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 グリーグ::ペール・ギュント

です。ペールギュントには第一組曲と第二組曲があります。

敢えて、良く知られている第一組曲から3曲を載せます。


グリーグ:ペールギュント 第1組曲「朝」



Peer Gynt Suite No. 1, Op. 46_ I. Morning Mood



はじめに、フルートとオーボエで提示される旋律を繰り返しているだけなのですが、

オーケストレーションの妙、でしょうか。飽きません。


「オーゼの死」は美しいけど、今日はとばします。

続いて、神秘的な雰囲気の漂う「アニトラの踊り」。


「アニトラの踊り」



Peer Gynt Suite No. 1, Op. 46_ III. Anitra's Dance



旋律は主に弓で弾いているのですが、伴奏はピチカート(指で弦をはじく)にしたり、

或いは、旋律自体をピチカートにして、その組み合わせが上手です。


第一組曲の最後「山の魔王の宮殿にて」



「山の魔王の宮殿にて」



Peer Gynt Suite No. 1, Op. 46_ IV. In the Hall of the Mountain King




これも同じ事の繰り返しなのですが、人間は同じメロディやリズムの反復を聴くと

だんだん、興奮してきます(「ボレロ」が極致ですね)。それを利用して、なおかつ

曲の冒頭から終わりに向かって、長いアッチェレランド(「段々テンポをあげて」の意)とクレッシェンド

になっているので、聴衆は、
「な、何が起きるのだ?」

という気分になります。

どんどん煽る様にテンポを上げ、楽器を増やし、最後は打楽器を加えて、一発決めます。

上手いと思います。


◆グリークはピアノ曲も多いのです。

お馴染みのオーケストラ曲を先におきかせしましたが、

グリークはピアノ曲も多いです。

一つ一つは短くて、何曲かで一つの作品になるのを「組曲」と言いますけれども、

グリーグは「叙情小曲集」(Lyric Pieces)という組曲を10巻も書いています。

デカいソナタをドカーンと書いて「どうだ!」という性格ではなかったのでしょう。

大変きれいです。グリーグのピアノと言えば、やはり、舘野泉(たてのいずみ)さんです。

グリーグ:抒情小曲集

から。キリがないので、各巻から少しだけ。


グリーグ:叙情小曲集 第1巻 作品12 アリエッタ


Grieg: Lyric Pieces Arietta



グリーグ:叙情小曲集 第1巻 作品12 妖精の踊り



Grieg: Lyric Pieces Fairy Dance



グリーグ:叙情小曲集 第3巻 作品43 小鳥



Grieg: Lyric Pieces Little Bird



グリーグ:叙情小曲集 第5巻 作品54 小人の行進



Grieg: Lyric Pieces March of the Dwarfs



今日の最後ですが、叙情小曲集で最も有名な1曲かもしれません。


グリーグ:叙情小曲集 第8巻 作品65 トロルドハウゲンの婚礼の日



Grieg: Lyric Pieces Wedding-day at Trodhaugen



という訳で、グリーグでした。

有名なピアノ協奏曲はまた、いずれ。

因みに、今年生誕200年の、フランツ・リストは、グリーグのピアノ協奏曲をいきなり初見で

すさまじいテクニックで弾き、グリーグを唖然とさせたそうです。

それでは。

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