JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事:<イージス艦衝突>2自衛官無罪判決(毎日新聞 5月11日(水)22時3分配信) 海上自衛隊イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で、漁船の2人を死亡させたとして ◆コメント:妥当な判決だと思います。 この事故は、 千葉・野島崎沖で08年2月19日午前4時6分ごろ、海自イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」が衝突、 というものです。 始めに書いておきますが、私は所謂「軍事オタク」でも「自衛隊ファン」でもありません。 自衛隊の存在は必要ですが、改憲には反対ですし、日本に集団的自衛権の行使を認めることにも 反対です。 つまり、私はこの判決の被告人が「自衛隊だから」正しい、と考えているのではありません。 最初から説明すると長くなります。 この事故の起きた後、私はメディアが殆ど全て右へならえ、で自衛隊を悪者にしようとしていたので それは、明らかにおかしい(事故の状況を考えると)と思い、何度も記事を書きました。 2008年02月19日(火) 「イージス艦事故:「あたご」に回避義務」←事故の全容が分からない時点で当事者一方の責任を強調するべきではない。(ココログ) かなりしつこく、ムキになって書いてますが、事故直後からメディアが、 「とにかく自衛隊が悪いに決まっている」と、決めつけた報道をしたからです。 マス・メディアがすべきことは、まず、 本当は何があったのか? を可能な限り客観的かつ中立的に取材し、報ずることです。 それがはっきりしないうちから、 誰が悪いのか?(多分、自衛隊だろう) というスタンスで報道していたので、私は「それは正しくない」と書いたのです。 マスコミがイージス艦「あたご」が悪い、と早くから決めつけたのは、 海上衝突予防法 第十五条第一項を見つけたからです。 その文言は、 二隻の動力船が互いに進路を横切る場合において衝突するおそれがあるときは、他の動力船を右げん側に見る動力船は、当該他の動力船の進路を避けなければならない。 となっているので、イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の位置関係からして、 明らかにイージス艦が回避すべきだった、という言い分でした。 しかし、それは余りにも、形式的、つまり杓子定規な判断です。 イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の大きさを比較した図があります。 これを見れば、船乗りの意見を訊くまでも無い。 大きな船は大きくなるほど、舵を切ってからも、実際に船の進行方向に反映されるまでに 時間がかかる。この海域には、清徳丸以外にも漁船はいたのです。イージス艦がこれら全てを 避けることは、できない。 そんなことは、イージス艦も漁船も、「プロ」が動かす乗り物なのですから、 瞬間的に判断できる筈なのに、清徳丸はわざわざ直進するイージス艦の進路を 横切ったのです。 学生時代法学部でしたが、「法学概論」で、「法の目的論的解釈」という 言葉を知りました。それは、 この法律は、何を目的としているのか、を考えて解釈しろ。 ということです。海上衝突予防法は、文字を見れば分かるとおり、 海上で船と船が衝突事故を防ぐことを目的とする法律なのですから、 とにかく、ぶつからなければいいのです。 裁判長の本音は「プロなんだから、適切に操艦すれば、事故は防げたであろう」 ということだと思います。そして、明らかに漁船の方が小回りが利くし、 進路変更することも、イージス艦が通りすぎるまで停止していることもできた。 だから、当時の状況下では、漁船に回避義務があったと考える。 そういう意味で非常に合理的で公平な判決だと思います。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2010年05月11日(火) 「谷亮子氏 参院選に民主から出馬表明 『五輪は金目指す』」←国会議員1人には年間約3,400万円もの税金が使われます。
JIRO
|HomePage
|