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JIROの独断的日記
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2011年05月06日(金) 「<ビンラディン容疑者殺害>国際法違反とは思わず…米調整官」←国際法違反です。

◆記事:<ビンラディン容疑者殺害>国際法違反とは思わず…米調整官(毎日新聞 5月6日(金)18時48分配信)

来日中のホワイトハウスのゲーリー・セイモア調整官(大量破壊兵器・安全保障担当)は6日、

東京都内の米大使館で会見し、ビンラディン容疑者の殺害について

「国際法違反とは思わない」と指摘、米軍などによる急襲作戦が適法に行われたとの見解を示した。

一部国際人権団体などは殺害の必要性を疑問視しているが、

セイモア調整官は「米国はテロリストと戦争している。

少なくとも米国の国際法の解釈では、(殺害は)完璧に正当化される」と述べた


◆コメント:問題外。

国際法以前の問題として、

ビンラディン容疑者殺害

という見出しで、おかしいと思いませんか?

「容疑者」でしょ?日本の刑事裁判で言うなら、被疑者ですよ。

まだ起訴されていない。つまり「被告人」にもなっていない。

「多分、ビンラディンが911テロの首謀者だろう」というだけで殺していいのですか?

国際法と国内法は違いますけど、繰り返しますがそれ以前でしょ?

仮にですよ。日本で殺人事件が起きた。容疑者が見つかった。

容疑者であって、本当に人殺しかどうかわからないが、怪しいから多分犯人だろう

といって、裁判にかけずにいきなり射殺した。


そういうレベルの話です。



米国のセイモア調整官は「米国はテロリストと戦争をしている」と言ったそうですが、

そもそも、今の国際法、米国も勿論加盟国である国連憲章は特別な場合を除き、武力の行使を

容認していません。


特別な場合とは、自分の国が他国に侵略され、或いは他国の攻撃を受けたときに、

国連が平和維持軍か、多国籍軍を送って助けに行くまでの間、個別的自衛権または、

集団的自衛権(日本は集団的自衛権の行使は違憲ですが)を行使して、つまり、

正当防衛で武力を使う場合、です。


本当はそれしか合法的な武力の行使は認められていないのに、アメリカ政府の人間は、
米国はテロリストと戦争をしている

って、してちゃいけないのですよ。


更に、ビンラディンの扱いに関しては、国連安保理決議1267と、同1333に書いて有る。

安保理決議1267では、
タリバーンが、オサマ・ビン・ラーデンを、同人が訴追された国の適当な当局、同人が送還されることとなる国の適当な当局又は同人が逮捕され効果的に司法手続をとられることとなる国の適当な当局に対して、更に遅滞することなく引き渡すことを要求する。

安保理決議1333も同様です。
また、タリバーンが、オサマ・ビン・ラーデンを、同人が起訴された国の適当な当局、同人が送還されることとなる国の適当な当局又は同人が逮捕され実際に裁判にかけられることとなる国の適当な当局に対して引き渡すことを要求する決議第1267号(1999)2の規定における同理事会の要求を更なる遅滞なく遵守することを要求する。

さらにリンク先の邦訳を読むとわかりますが、どの国もここで決められたとおりにしろ、

と言ってます。

決議1267も決議1333も、「タリバンやラディンを見つけたら殺して良い」とはどこにも書いてない。

適切な裁判を実行出来る国の当局に「引き渡せ」となっている。

言うまでもなく、米国は国連安全保障理事会の常任理事国で、この決議に直接関わっている。

その米国が決議に反することをして、パキスタン領内で、つまりパキスタンの主権を侵害して

勝手に入国して、ラディンの潜伏場所を急襲し、武装していなかったラディンを殺害した。

これが、国際法違反でない、というのはバカに相違ありません。


ところが、驚いたことに、菅直人内閣総理大臣は、ラディン殺害に関する談話を発表しています。
ウサマ・ビン・ラーディンの殺害についての内閣総理大臣の談話 平成23年5月2日

読むとわかりますが、日本政府は、
我が国としても、これまでアフガニスタン及びパキスタンに対する協力をはじめ、テロの脅威への対処に積極的に参画してきたところ、今回のテロ対策の顕著な前進を歓迎するとともに、米国やパキスタンをはじめ,関係者の努力に敬意を表する。

国際法違反の人殺しに敬意を表するそうです。

同じ事をやったのが自民党政権時代の小泉純一郎です。アホのブッシュが、

国際法違反のイラク戦争を始めた、2003年3月20日、世界で最初に米国の行動を支持する、と

談話を発表したのが日本です。その談話は、今でも首相官邸のウェブに残っている。
内閣総理大臣談話 平成15年3月20日

我が国は、これまで一貫して、イラクの大量破壊兵器の問題については、国際協調の下に平和的解決を目指し、独自の外交努力を続けてまいりました。しかしながら、イラクは、12年間にわたり、17本に及ぶ国連安保理決議に違反し続けてきました。イラクは、国際社会が与えた平和的解決の機会を一切活かそうとせず、最後の最後まで国際社会の真摯な努力に応えようとしませんでした。

このような認識の下で、我が国は、我が国自身の国益を踏まえ、かつ国際社会の責任ある一員として、我が国の同盟国である米国をはじめとする国々によるこの度のイラクに対する武力行使を支持します。

アメリカはイラクが大量破壊兵器を保有している確たる証拠がある。それがテロリストの手に渡れば、

明日にでも再び2001年9月11日のようなテロ攻撃を受けるかも知れない。といって戦争を始めたのです。

後に、実はアメリカは、イラクが大量破壊兵器を保有している証拠など、持っていなかったことが分かりました。

それはそうでしょう。大量破壊兵器は、イラクに無かったのですから。しかし、それは問題ではない。


仮に、本当にイラクが大量破壊兵器を持っていたとしても、アメリカがイラク戦争を始めたのは

明らかに国際法違反です。私はイラク戦争が始まる前の日にそれを日記(この当時はブログは無かったのです)に

書きました。
2003年03月19日(水)アメリカの行動は明らかに国際法違反である。その法的根拠。

イラク戦争時、アメリカを支持したことは、間違っています。

イラクに自衛隊を送った行為は違憲です。この考え方は今も変わりません。

原発やら、食中毒のどさくさ紛れで、菅直人内閣総理大臣のアメリカ支持を批判する意見を

見ませんが、菅直人内閣総理大臣の談話は結局小泉純一郎と変わらない。

アメリカの違法行為を支持するべきでは、ないのです。

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