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2007年05月06日(日) |
「食料事情 世界的に悪化の懸念 需要急増や環境問題で」←日本の食糧自給率の低さは・・・。/【音楽】バッハ |
◆記事1:食料事情 世界的に悪化の懸念 需要急増や環境問題で
世界の食料事情が大きく悪化するのではないかとの懸念が広がっている。
中国などの経済成長や発展途上国の人口増で食料需要がどんどん増えているうえ、
環境問題や資源枯渇への懸念を背景に穀物をバイオ燃料に振り向ける動きが強まっているためだ。
地球温暖化が食料生産に与える影響も心配で、
食料自給率が低い日本は将来に向け安定供給のための戦略を迫られている。
■相次ぐ値上げ
先月、果汁飲料の値上げ発表が相次いだ。
明治乳業が100%果汁「ミニッツメイド」(1リットル)の希望小売価格を21円引き上げたほか、
日本ミルクコミュニティ、キリン・トロピカーナなども値上げを決めた。
オレンジの産地・米フロリダ州がハリケーン被害に遭ったり、
ブラジルでバイオエタノール用サトウキビを生産するためオレンジ畑が次々につぶされたりしているためだ。
製粉各社は近く小麦粉価格を24年ぶりに引き上げる。
昨年の豪州の干ばつなどで小麦の政府売り渡し価格が平均1.3%上がったためで、
うどん、パンなども値上がりしそうだ。
世界の穀物取引の中心、米シカゴ商品取引所では昨年後半からトウモロコシ、小麦、大豆の価格が急騰している。
水産物も、マグロの漁獲制限をはじめとした資源の制約と、中国、欧州など世界的な魚食の拡大で値上がり傾向にある。
■成長と人口増が背景
世界の食料需要を押し上げているとみられるのが経済成長が続く中国だ。
所得水準の向上で中国の肉類、油脂類、魚介類の1人当たり消費量は90〜03年の間にほぼ倍増した。
一方、穀物生産は伸び悩み、中国は04年に農産物の純輸入国に転じた。
食料の大半はまだ自給を維持しているが、大豆の輸入は年約3000万トンで世界一。
「農村部の食生活が都市部に近づくと食料消費はさらに増える」との予想が多い。
また、インドをはじめ発展途上国の人口増も今後、世界の食料需給に影響を及ぼす可能性が高い。
柴田明夫・丸紅経済研究所所長は
「世界の食料在庫率は減少しており、(食料危機と言われた)1970年代と似てきた」と、
食料価格がさらに上がる可能性を指摘する。
実際、世界の穀物在庫率(年間消費量に対する在庫量の割合)は99年に31.6%だったが、
06年には15.5%と半分以下の水準に急減している。
■食料か、エネルギーか
ブッシュ米大統領は1月の一般教書演説で、10年後に米国のガソリン消費量を20%削減し、
トウモロコシを原料にしたバイオエタノールなどの代替燃料を年約1300億リットル供給する目標を掲げた。
06年のバイオエタノール生産量の7倍で、地球温暖化対策であると同時に
「原油の中東依存からの脱却」を目指す安全保障戦略でもある。
これを受け、シカゴ商品取引所のトウモロコシ価格は2月に前年のほぼ2倍に達した。
米国のトウモロコシ輸出は世界の約7割を占めることから、価格高騰のあおりは他国にも及んでいる。
トウモロコシを主食とするメキシコでは、抗議デモが起きるなど社会問題に発展。
飼料の価格も上がり、日本の畜産農家に影響が出ている。
今のところ、肉の価格には転嫁されていないが、飼料の高値が続くと肉も値上がりの可能性が出てくる。
■大干ばつ
豪州は06年、降水量が1900年以降最少の地域も出る大干ばつに見舞われた。
その結果、小麦の生産量は前年比57%減の不作となり、国際価格を引き上げた。
地球温暖化は、干ばつ、洪水、海面上昇などを招き、食料生産にも大きな打撃を与える。
収穫量が増える地域もあるが、農産物・水産物の適地が移動したり、
農地の水没、病害虫の発生などの影響が懸念されている。
◇日本の食料自給率、先進国では突出して低く…
日本の食料自給率はカロリーベースで40%と先進国では突出して低く、
世界の食料事情が悪化すれば必要量を確保できなくなる心配がある。
マグロ輸入で日本の商社が、高価格で買い集める中国に「買い負け」するなどその兆しは既にあり、
食料不足に備えた国家戦略が必要になっている。
しかし、食料安全保障をめぐっては意見が割れる。
農林水産省が農業をある程度保護しながら自給率を高めようとしているのに対し、
経済財政諮問会議では経済連携協定(EPA)などで食料輸入先の確保を優先すべきだとの意見が優勢だ。
農水省は3月、専門家を招いて「国際食料問題研究会」を発足させ、
世界の食料需給見通しの詳細な分析を始めたが、国内農業を維持する理論武装の狙いもありそうだ。
(5月4日17時29分配信 毎日新聞)
◆コメント:食糧不足の主な原因=中国の食料需要の増加、地球温暖化に起因する干ばつ、化石燃料の代替物としてのバイオ燃料の使用。
記事に書いたことをコメントで繰り返しても仕方がないが、自分の頭の整理も兼ねているので、ご容赦のほど。
毎日新聞の記事をごく簡単にまとめると、
- 2006年、地球温暖化が原因と見られる異常気象、特に干ばつにより、オーストラリアの小麦の生産量が大幅に減った。
- 中国人が経済的に余裕が出てきて、色々なものを沢山食うようになった。世界一人口の多い国だから、需給バランスに影響が出る。
- 地球温暖化を防ぐため、化石燃料(石炭・石油)でも原子力でもない、バイオ燃料を使うと、元々食い物なので、食糧不足の一因となる。
- そして、困ったことに、日本はの食糧自給率の低さは「世界的に突出している」
結論。
「自給率を引き上げないと、やがて日本人は飢える。」
1を補足すると、オーストラリアの干ばつが地球温暖化によるものだとしたら、同じ事が世界各地で起こり、世界中で穀物の収穫が減る。
2の中国人に関しては、私は本日記ないしブログにおいて情緒的な評価は排除するようこころがけているが、今日は、このニュースを読んで、
段々肚が立ってきた。日本から、3兆円もの援助を受けなかったら、今の中国の繁栄はないのに、中国共産党は人民に、その事実を明らかにせず、
戦時中の日本の行為に関して何度謝罪してもまた謝れといい(最近少し変わってきたが)、その間にどんどん「資本主義的」発展を遂げ、その結果、
国民は世界の美味いものを知るようになり、がつがつ食うから、世界の食糧需給を逼迫させている。
3は、こういうのを、正にジレンマ(二律背反)というのだろう。
温暖化が進めば、水が足りなくなり、食料生産に打撃を与える。石油などの化石燃料を燃やして発電するからCO2が発生する。
原発は温室効果ガスを殆ど排出しないが、事故が起きて放射能が漏れたらただでは済まない。
そこで、バイオ燃料が開発され、先週だか、先々週だか、日本でもバイオ・ガソリンの販売が始まった。
ところが、バイオ燃料の原料はトウモロコシという「食物」なので、バイオ燃料用に使われると、食い物が減る。
4の「食料自給率の低さ」は今に始まったことではないが、自給率を増やすには、それだけ第一次産業(農業、林業、水産業)
従事者が増えなければならないだろうが、無理だろう。
今、第三次産業の従事者、すなわち、サラリーマンがこれから農業に従事できますか?漁師になる決心がつきますか?
家庭菜園?東京近郊に住んでいる人、特にマンションには庭がないのですよ。土がないのですよ。
ベランダで、キュウリ、トマト? そんなのは、所詮、お遊びですよ。
◆日本人は食い過ぎ。それから、無駄な食い物を作って捨てている。
食糧自給率をなんとか引き上げる方法を考えることは必要だけれども、同時に思い出すべき事がある。
最近、やたらと「メタボリック・シンドローム」という言葉を見かける。
要するに昔でいう成人病、その後、生活習慣病といっていた状態だろう。
日本人は食い過ぎなのだ。
食料が足りなくなるという前に、摂取カロリーを減らしたらどうですか?
それから、日本は毎日恐らく、すさまじい量の食べ物を無駄に捨てていますね。
コンビニの賞味期限を過ぎた弁当とか、ファスト・フードで一定時間を経過したものとか、
バイキング形式のパーティで残ったものとか。
統計は無いけれども、恐ろしいほどの食い物を毎日捨てていると思われる。
今、消費されている食料のうち、本当に必要なのはどれほどなのか、調べられませんかね。
◆【音楽】バッハ 無伴奏ヴァイオリンの為のパルティータ第1番から第7曲 Tempo di Borea
全然、脈絡が無いのですが、やたらとバッハが聴きたくなりまして、
無伴奏ヴァイオリンの為のソナタ、パルティータの中から、選びました。
人の世の下らないことなど寄せ付けないような、高貴な響きが好きです
ダウンロード BWV1002TempodiBorea.mp3 (3341.7K)
如何でしょうか。
それでは。
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