JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事:月例報告:景気は足踏み状態脱しつつある−2カ月連続で上方修正(ブルームバーグ)(2011/02/21 19:04) 与謝野馨経済財政担当相は21日午後、2月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出した。 ◆コメント:「上方修正」といっても相対的な話である。 国が、日本経済をどのように判断しているか、を示す2大レポートは、 2011年 2月16日 金融経済月報(2月) [PDF 3,344KB] である。一方、「月例経済報告」は内閣府のサイトの、 月例経済報告関係資料に掲載される。 今月号はこれである。月例経済報告 (平成23年2月) 「金融経済月報」も「月例経済報告」も長大かつ詳細なレポートだが、 結論が冒頭に記載されている。ただし、単月の「結論」だけを見ても意味がなく、 前月からどのように変化しているか、が、ポイントである。 日銀「金融経済月報」の「結論」を「基本的見解」、 月例経済報告の「結論」を「基調判断」というが、 それらが過去からどのように変化しているかを見るためには、 本社はアメリカにある、金融情報専門メディアの「ブルームバーク」の 日本版がまとめている。 日銀:金融経済月報−過去の基本的見解(表) 月例経済報告は、 月例経済報告:過去の基調判断(表) である。 今日(21日)夕方に発表された月例経済報告の基調判断は、 2月 景気は、持ち直しに向けた動きがみられ、足踏み状態を脱しつつある。ただし、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。 であった。過去2回分を見ると、 1月 景気は、足踏み状態にあるが、一部に持ち直しに向けた動きがみられる。ただし、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。 言葉をよく読むと、確かに相対的には「改善」しているが、最後にはかならず、 ただし、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。 との記述が残る。 メディアはこぞって、日銀も内閣府も景気見通しを上方修正した、と騒ぐけれども、 その「上方修正」の実情はこの程度である。 最も新しい、1月29日に発表された重要経済指標を見ると、12月の完全失業率は4.9%。 「5%を下回ったのは10ヶ月ぶり」などと、メディアはあたかも政府に媚びるような 表現を用いているが、5%も4.9%も大差ない。また、厚生労働省が発表する 有効求人倍率といって、求職者1人につき何件の求人があるか、を示す数字は12月は0.57であり、 依然として1.0を下回っている。つまり仕事に就けない人がどうしてもいる、ということだ。 GDPの約6割を占める個人消費だが、12月は前年同月比マイナス3.3%。前年同月比マイナスは3ヶ月連続。 個人消費が減っているということはモノが売れないということで、それは即ち物価の下落に繋がる。 事実、12月の消費者物価指数は、前年同月比マイナス0.4%で、前年同月比マイナスは22ヶ月連続。 明らかにデフレが続いており、多少下落幅が小さくなったからと言って、 景気が回復の兆しを見せ始めているかのような表現はミスリーディングである。 今や、財政健全化の為に消費増税必至、という風潮だが、ただでさえ、家計の財布の 紐が固くなっているときに、消費税率をアップしたら、消費そのものが抑制され、 税収が却って減少する恐れがある、ということをメディアは指摘するべきだ。 ◆結論:メディアの「上方修正」「改善」などの見出しを鵜呑みにしてはいけない。 どうも、最近の大新聞は、経済専門紙である日本経済新聞まで、政府の宣伝機関のように、
2010年02月21日(日) 【音楽】2月21日はモーツァルト:交響曲第1番が初演された日だそうです。/ルービンシュタインのショパン
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