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JIROの独断的日記
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2010年11月23日(火) 【北朝鮮】延坪島(よんぴょんど)砲撃事件

◆2010年11月24日(水)00時51分現在の事実認定

2010年11月23日14時34分ごろ(日本時間同)、朝鮮人民軍が黄海上の南北軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)を越え

大延坪島に向けて砲弾約200発を発射、50発以上が同島の陸上・海上に着弾した。

これに対し、韓国軍は自走砲で80発を使用し対抗射撃を行い、KF-15・F-16K戦闘機を島に向け非常出撃させた。

この事件で韓国の海兵隊員2名が死亡、16名が重軽傷、民間人3人が軽傷を負い山火事や家屋の火災が発生した。

住人1,300人には避難命令が出された。韓国軍合同参謀本部は直ちに珍島犬1号(非常事態警報)を発令し、

金滉植国務総理も全公務員に対し非常待機命令を発令した。


◆北方限界線(NLL=North Limit Line)と、海上軍事境界線。

陸上で南北朝鮮の境界は、38度線で、これに関しては南北は合意しているが、

陸上を決めた時に、海上の境界を決めていなかった。

北方限界線(NLL=North Limit Line)は、朝鮮戦争休戦(1953年7月27日)の後、国連と連合国が

北朝鮮に意向を確かめずに決めたもので、

北朝鮮は1999年に北方限界線より若干南寄りに別の「海上軍事境界線」を宣言している。

北方限界線(NLL=North Limit Line)と北朝鮮が主張する海上軍事境界線の図

宣言しているが、勝手に宣言したので、当然揉め事の元になる。

今年の3月26日、韓国の哨戒艦が北朝鮮が仕掛けたと見られる魚雷で沈没し、46名が死亡した。

これは、北方限界線(NLL=North Limit Line)ギリギリであるが、NLLに従えば韓国の領海で、

北朝鮮の言い分では、北朝鮮の領海となる。

11月23日、砲撃を受けた、延坪島も、付近の位置関係を見ると分かる通り、

北方限界線よりは南だが、北朝鮮の認識では海上軍事境界線より北側で北の領海で、

そこで米韓が軍事演習を行ったから、威嚇ないし抗議として砲撃したという。


◆国際法上の問題。

「今更言うまでも無く」と書きたくなる。私は2003年3月20日のアメリカが始めた

イラク戦争の当時に、何度書いたか分からないからである。

国連憲章は、日本国憲法と似ている。原則的に武力の行使は「違法」なのである。

第2条〔原則〕第4項

すべての加盟国は、その国際関係において、武力よる威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。

但し、例外があり、それは他国の侵略・攻撃を受けたとき、国連軍が助けに行くまで、自衛権を行使する場合。

もう一つは、国連安全保障理事会が問題を起こしている国に「止めろ」という決議をしてもそれに従わない場合である。

典型的なのが湾岸戦争で、1990年8月2日にイラクがクウェートに侵攻したのに対して、

国連安全保障理事会は、即時無条件撤退を求める安保理決議660を採択し、更に、非軍事的制裁として、

イラクへの全面禁輸の経済制裁を行う決議661も採択したのに、どうしてもイラクが言うことを聞かないので、

1991年1月17日に国連多国籍軍が(勿論、安保理決議に基づいて)イラクを空爆した、というような場合。

国際法で、武力行使が合法とされるのはこの2つの例外的状況だけである。

北朝鮮は国連加盟国(1991年に加盟)であるから、当然国連憲章遵守義務がある。

事実上、あの国の傍若無人な行動や主張を見たり聞いたりすると、空しいが、

延坪島砲撃は、どう見ても国際法上の違法行為である。

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