JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆シューベルトのおっそろしく美しいピアノ曲。 混同なさるといけませんから。最初に結論を書いておきます。 ◆ここからが本論です。シューベルト「4つの即興曲」 ピアノ曲には、別にアドリブじゃないのですが「即興曲」と名が付くものがあります。 「シューベルトのアンプロンプチュ?良いね」 などというと、「通」に見えます。但し、相手が詳しく無いことをよく見極めないと。 もしも、相手が詳しい人で、その先突っ込まれて、身動きが取れなくなって恥をかいても、 例によって当局は一切関知しないので、そのつもりで。 「知ったかぶり講座」はここまでです。 シューベルトの「4つの即興曲」には作品90と作品142があります。 要するに全部でシューベルトの「アンプロンプチュ」は8曲です。 作品90では 2番、3番、4番が、よく演奏されます。 演奏時間が4分台で一番短い2番を、まずお聴き下さい。 シューベルト:即興曲 D.899(作品90) 第2番変ホ長調 Schubert: Impromptu In E Flat, Op. 90/2, D 899/2 - 2. Allegro 右手の三連符が延々と続きますが、ここは右手は頑張って貰わないと。三連符が乱れたら 台無しです。 次は、作品142の4曲の中から第2番、変イ長調アレグレットです。 ゆったりとしたメヌエットなのです。メヌエットですから舞曲ですけれども、穏やかな旋律が 強く印象に残ります。この辺はやはり「歌曲」のシューベルトの「歌心」が出てます。 シューベルト:即興曲 D.935(作品142) 第2番変イ長調 Schubert: Impromptu In A Flat, Op. 142/2, D 935/2 - 2. Allegretto 如何にもシューベルト、な曲だと思います。 最後は、これはプロでもなかなか演奏会では弾かない作品90の第1番です。 技術的には、そんなに難しくはないのですが、特に曲の冒頭を聴いて頂きたいのです。 あまりにも、単純な単旋律から始まります。こういうところで、聴衆の心を捉えるのは至難の業です。 易しいけれども、あまりにも美しい。演奏者の音楽性が一発で分かってしまうような怖さがあります。 シューベルト:即興曲 D.899(作品90) 第1番ハ短調 Schubert: Impromptu In C Minor, Op. 90/1, D 899/1 - 1. Allegro Molto Moderato これは、美しいですねー。「悲しくない音楽なんて、知らない」と言ったシューベルトの感受性が、 ひじょうに端的に表れています。転調の使い方の上手さがまた、シューベルトだと思います。 あたかも、芝居の場面が変わるというか、風景が変わるような感じがします。 いずれにしても、ピアニストにとっては、速くて技巧的な曲を弾くのとは次元の違う難しさです。 シューベルトの即興曲は他の名演としては、内田光子さんとか、リリー・クラウス女史などがあります。 いずれも、ルプーとは異なる弾き方をしています。もしも、「シューベルトのアンプロンプチュ」がお気に召したら、 聴き比べてみると大変に興味深いと思います。 週末に如何でしょうか。 それでは。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2009年10月14日(水) 【音楽】日本の作曲家の作品。外山雄三、伊福部昭、芥川也寸志各氏の作品。
JIRO
|HomePage
|