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JIROの独断的日記
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2008年10月14日(火) 「米大統領 公的資金投入を表明」←マイナスからニュートラルに戻る過程に過ぎない。

◆記事:米大統領 公的資金投入を表明(NHK 10月14日 22時5分)

アメリカのブッシュ大統領は、日本時間の14日夜、声明を発表し、

最大7000億ドルの公的資金を投入できる金融安定化法を活用して

国内の大手金融機関への公的資金の投入を行うことを決めたことを明らかにしました。

ブッシュ大統領は、日本時間の14日夜9時すぎ、ホワイトハウスで声明を発表し、

「これまでにない金融危機に対応するため、株式の購入を通じて金融機関に公的資金を投入することにした。

これは、政府が市場に介入するのではなく、市場を保全する措置だ」と述べ、

全力をあげて金融危機に歯止めを掛ける考えを示しました。そのうえで、

最大7000億ドルの公的資金を投入できる金融安定化法を活用して

国内の大手金融機関への公的資金の投入を行うことを決めたことを明らかにしました。

ワシントンで、先週末開かれたG7、先進7か国の財務相・中央銀行総裁会議では、

必要に応じて、金融機関の資本増強のために公的資金を投入するなどとした異例の「行動計画」が採択されており、

ブッシュ政権も、この合意を受けて大規模な公的資金の投入に踏み切ることになりました。


◆コメント:積極的に「良いこと」が起きているのではなく、「世界金融恐慌に陥らずに済みそうだ」という段階です。

今日の内外の新聞を読むと、いずれも週末のG7による「公的資金注入」をマーケットが評価し、その結果、

東京株式市場は戦後最大の上昇率を記録した、などとさも素晴らしい世界に一瞬にして変わったかのようにかいていますが、

それは違います。その前がひどすぎたのです。

「戦後最大の株価上昇率」を記録したといったって、日経平均株価の終値はいくらですか?

9,447円57銭

ですよ?戦後最大の上昇率を記録しても、まだ1万円を割れているのです。

何しろ先週8日(水)日経平均は952円も下げて、「戦後3番目の下げ率」を記録したのですから、

G7を受けて、売っていた人が買い戻すのは当たり前です。


積極的にプラスに相当することは起きていません。

世界金融恐慌に陥るところだったのが、寸前で、そうならずに済んだ、というだけです。


記事では、ブッシュ大統領が公的資金注入を宣言していますが、何も立派なことをしている訳じゃない。

ちょうど一ヶ月前にリーマンを破綻させてから、混乱がはじまったのです。

アメリカの失策で、世界が混乱したのだから、対策を講じるのは当然なのです。


◆リーマン破綻後から1ヶ月の流れを振り返ります。

箇条書きにさせて頂きます。

9月15日 リーマン・ブラザーズが破綻。 メリルリンチの救済買収をバンク・オブ・アメリカが発表

  16日 保険会社最大手AIGがFRB緊急融資を得て、政府管理下に置かれる。

  21日 証券会社大手ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーが銀行持ち株会社に移行。

  22日 三菱UFJ、モルガン・スタンレーへの出資を発表。

  25日 米貯蓄貸付組合(S&L)最大手ワシントン・ミューチュアルに業務停止命令。米史上最大の銀行破綻。

  29日 米下院、金融安定化法案を否決。ダウ平均、過去最大の777ドル安

10月3日 修正金融安定化法案が成立。

 6日 NYダウ、約4年ぶりに1万ドル割れ。

 8日 世界10中銀が同時利下げ。

 9日 米銀大手ウェルズ・ファーゴ、同業ワコビアの救済合併を決める。

 10日 ダウ、約5年半ぶりに8,000ドル割れ。G7、金融危機克服の「行動計画」を採択。

 12日 ユーロ圏首脳会議、公的資金注入と銀行債務保証で合意。

 13日 英政府、大手3行に総額6兆4000億円の公的資金注入を発表。

 14日 米政府、金融機関に総額25兆5000億円の公的資金注入を発表。

ここ一ヶ月を振り返ると分かるように、そもそも最初にリーマンを破綻させていなければ、

つまり、リーマンに公的資金を注入していたら、これほど世界中の株が下がり、世界中の投資家が評価損を被ることもなかった。

イギリスまでもが公的資金を注入する必要は生じなかった。

イギリス以外の欧州、アジア各国の中銀も公的資金注入を考えているようですが、そもそもの始まりは、

アメリカの失策です。ブッシュは、偉そうに演説していますが、米国大統領と財務長官、FRB議長には、

世界に向けて「迷惑をかけて申し訳ない」と、謝罪して貰いたいと思います。

株価が多少戻ったところでアメリカは景気後退局面。我が国も同様です。世界同時不況が終わったわけではない。

始まったところです。

世界金融恐慌を何とか回避しただけだ、ということを、各国とも(流石にわかっているでしょうが)認識すべきです。

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