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2010年09月11日(土) |
【音楽】ドヴォルザーク色々。「ユーモレスク」から「チェロ協奏曲」まで。 |
◆時事問題で書くことが無い訳ではありませんが・・・・。
多くの人はアメリカで当時「同時多発テロ」と呼ばれたあの大惨事が起きたことは、覚えているでしょうが、
5年前、2005年9月11日(日)に、所謂「郵政民営化選挙」が行われ、あのころから、日本がガタガタになり始め
張本人の小泉純一郎はトンズラし、当時金融担当大臣だったのが竹中平蔵で、そのブレーンが昨日、破綻した、
日本振興銀行を作ったものの金融庁検査忌避で逮捕された、元日銀職員の木村剛でした。
あのことに付いて書くと、どうしても愚痴になります。
2005年8月8日に郵政民営化法案が参議院で否決され、小泉は解散権を濫用して衆議院を解散しました。
私は、205年8月の日記、9月投票日当日の日記まで、
繰り返し、「如何に小泉の主張が間違っているか」をこれでもか、これでもか、と書きましたが、
結果は小泉の歴史的大勝でした。あの時以来、実は私は時事問題を書いても、どうにも空しいのです。
所詮正しい事をかいても個人のブログなどではどうにもならない。
という「諦念」を抱いています。僭越ですが、大新聞の社説よりも私の方が言うべき事を、
正しく主張している、と思うことがしばしばありますが、所詮、マス・メディアには勝てません。
何度日記・ブログを止めようかと思いましたが、何とか書き続けています。
しかし、今日は天下国家を論じようとしても仕方がない。
既に書いてしまいましたが、延々と愚痴になりますから。
◆9月8日は、ドヴォルザーク(1841年9月8日 - 1904年5月1日)の誕生日でした。
私は、音楽書の類は滅多に読まないので、ドヴォルザークの生涯に関する詳しいことや、
作曲技法的に、どのような特徴があるのか、専門家のように分析することはできません。
詳細については、ウィキペディアをご覧下さい。
ドヴォルザーク=「新世界より」では、あまりに気の毒です。
あれは、あくまでも私見ですが、彼の交響曲の最高傑作ではない、と思います。
特に終楽章は、はじめにホルンとトランペットで提示される第一主題があまりにも繰り返され、
本来、メロディーを次から次へと思い付く「ドヴォルザークのドヴォルザークたる所以」が、
生きていないと思います。勿論好みの問題ですが。
「新世界より」に関して議論するつもりは全くありません。
それよりも、早く曲を紹介しなければ。
◆小品。「ユーモレスク」をヴァイオリンとチェロで。
最近の「クラシック通」はドヴォルザークの「ユーモレスク」が好きだなどとは、
死んでも言いたくないのでしょう。珍しい曲ばかり探して喜んでいる人が多い。
それはそれで、結構です。知られていない中にも意外な名曲があるかもしれません。
しかし、だからといって、ドヴォルザークの旋律の美しさが色褪せることにはならない。
過去、何度かご紹介した、「赤川次郎のばっくすてえじトーク」(音楽之友社)では、
赤川氏と、故・武満徹氏の対談に、こういうくだりがあります。(単行本、191ページ)
赤川:武満さんがこの前、尹伊桑(ユン・イサン)さん(引用者注:1917年韓国生まれ、日本、フランス、ドイツで勉強し、
旧西独に帰化し、ドイツで活動した作曲家。1995年没。)となさった雑誌の対談の中で、チャイコフスキーはすごいとおっしゃっていたんで、
ああ、よかったと思いましたね。僕もチャイコフスキーは好きだから。
武満:チャイコフスキーはものすごいですよ。
赤川:ご専門の方から見るとまた違うのかもしれないけれども、何となく言いにくいところがありますよ。
一番好きな作曲家はチャイコフスキーとかドヴォルザークと。今、マーラーとかブルックナーと言わないと
何となくクラシック・ファンじゃないような感じがあるから。
武満:ドヴォルザークは、旋律が素晴らしいですよ。ああいうものに現代の専門家がてれちゃっているというのが、
だめだと思うんですよ。不健康だ。(注:以下略)
というわけで、ドヴォルザークが好きであることは武満氏の言葉を待つまでもないのですが、
恥ずかしい事でも何でもない。とんでもないことです。
そこで、ドヴォルザークの数多くの作品の中でも、最も可愛らしく美しく、懐かしい音がする、
「ユーモレスク」がちょうど2ヶ月前、
【音楽】ヴァイオリニスト、川畠成道氏のアルバムを薦めます。(ココログ)
でご紹介した、ヴァイオリニスト川畠成道のアルバム、美しき夕暮れ Beau Soir に収録されているので、
もう一度お聴き頂きます。
ドヴォルザーク: ユモレスク
Dovorak Humoresque 川畠成道(Vl)
実に美しい旋律を美しく演奏してくださいました。
これを、チェロとヴァイオリンで演奏したら、どうなるか。
当代随一の名人ヨーヨーマの、ドヴォルザークばかりのアルバムで聴けます。
ヴァイオリンを弾いているのは、これも知らない人はいない、イツァーク・パールマンです。
ドヴォルザーク: ユモレスク(チェロとヴァイオリン編)
Dovorak Humoresque(Yo-Yo Ma)
譜面が優しくても、ユーモレスクをユーモレスクらしく弾く、というのは、
「易しい曲であるが故の難しさ」があるようです。
◆室内楽。弦楽四重奏曲 第12番「アメリカ」
ドヴォルザークは室内楽曲も沢山かいておりまして、室内楽の代表格、弦楽四重奏曲だけでも14曲書いています。
最も知られているのが「アメリカ」とタイトルの付いた第12番です。
12番と13番がカップリングされた、ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」 Op. 96, 第13番 Op. 106 が手頃ではないかと思います。
それでは12番「アメリカ」の第一楽章です。
弦楽四重奏曲 第12番 へ長調 「アメリカ」Op.96 第一楽章
Dvorak String Quartet No. 12 in F major, Op. 96, B. 179, "American" 1st Movement
13番も良いです。ピアノ五重奏曲も良いのですが、室内楽というのは、クラシックの中でも
最も取っつき難い分野かも知れないので、最初聴いてあまり面白くない、と思っても、別に気になさることはありません。
私も以前は、ドヴォルザークに限らず、殆ど聴かなかったです。ある程度、年をとってから漸く少し聴き始めたかな、という程度です。
ドヴォルザークの特集なのに、なんですが、一番最初は、モーツァルトの「クラリネット五重奏曲」が良いのではないかと思います。
◆管弦楽曲。スラブ舞曲集からいくつか。
これは、ブラームスのハンガリー舞曲集と共に、聴き易い曲集です。ピアノ連弾用に作曲したのを、
後にオーケストラ曲に編曲した、というところまで、ブラームスと同じです。
ジョージ・セル=クリーブランド管弦楽団による、
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集(全16曲) ジョージ・セル=クリーブランド管弦楽団
がお薦めです。全部で16曲ありますが、特に有名な3曲を。まず第一番。景気いいですよ。
スラヴ舞曲第1番ハ長調
Dvorak Slavonic Dance No. 1
躍動感が命です。続いて第8番。これも賑やかです。
スラヴ舞曲第8番ト短調
Dvorak Slavonic Dance No. 8
最後に打って変わって、メランコリックな10番です。旋律の美しさはドヴォルザークの面目躍如です。
スラヴ舞曲 第10番 ホ短調
Dvorak Slavonic DanceNo. 10
綺麗でしょう?こういうのは、指揮者のセンスが出ますから、色々聴き比べるのも一興です。
◆チェロ協奏曲 チェロ協奏曲で最も演奏回数が多いはずです。
メンデルスゾーンの彼の有名はヴァイオリン協奏曲を、略して「メンコン」などいいますが、これは許せる。
これに対して、ドヴォルザークのチェロ・コンチェルトを「ドボコン」といいますが、
私、この略し方が嫌いなのです。音が汚いでしょ? しかしそれは、私の「好み」の問題なので、
これ以上書きません。
さて、チェロは、コンチェルトを書きたがる作曲が大勢いそうなのですが、意外に少ないです。
ピアノやヴァイオリンの協奏曲に比べたら、「数えるほど」といっても過言ではない。
いや、作品の質を問わなければ、こんなにあるのです。
ウィキペディア「チェロ協奏曲」から「おもな作曲家と作品」を見ると、数はある。
しかし、大部分は全く演奏会のプログラムに載ることはないのです。
ドヴォルザークの他は、ハイドン、ボッケリーニ、シューマン 、サン=サーンス。
協奏曲ではないですが、チャイコフスキーの ロココ風の主題による変奏曲。
など、十分、両手で数えられるほど。しかも、その中でも群を抜いて演奏回数が多いのが、
ドヴォルザークのチェロ協奏曲なのです。
第三楽章だけお聴き頂きますが、できれば全曲聴いてみるといいですな。
ホルンで提示される第一楽章の第二主題は、実に綺麗です。
本当は全曲、ここに載せたいぐらいなのです。
音源は、先ほど、「ユーモレスク」でご紹介ししましたが、
チェロ協奏曲、他 ヨーヨー・マ、マズア&ニューヨーク・フィル、他です。
ドヴォルザーク チェロ協奏曲 ロ短調 作品104 より第三楽章
Dvorak: Cello Concerto In B Minor, Op. 104 - Finale: Allegro Moderato
カッコイイでしょ? この曲がチェロ協奏曲の中でも群を抜いて演奏される機会が多い理由が
分かる気がします。
本日は以上です。皆様、良い日曜日をお過ごし下さい(ご参考までに。月曜日は「新聞休刊日」です)。
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