JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆トランペットを始めた頃の話。 弊日記・ブログをいつもお読み頂いている方々は、ご承知かと思いますが、 これは、独学ではどうにもならない。 ことが分かりました。何らかの音はでますが「音楽に使える音」を出すためには、 つまり、まともに吹けるようになるためには、専門家に教わらなければならない、 と思いました。四方八方手を尽くして、豊島区大塚の「管楽教育研究所」で、 東京吹奏楽団(1963年、東京で初めて創立したプロの吹奏楽団)でトランペットを吹いておられる、 歴としたプロの先生に習うことになりました。 プロ・アマ問わず、日本でトランペットを最初から個人レッスンで始めた人間は少ないと思います。 別に自慢でも何でもありません。経緯をご説明したとおり、そうせざるを得なかったのです。 この先生は、最初から趣味で吹く、と言いました。プロは無理だと思いました。 あまり簡単に止められたら困る、と思ったのでしょう。先生は、弟子のレッスンを見学させてくださいました。 その時の生徒さんは、ものすごく失礼なのですが、はっきり言ってあまり上手くなく、しかし、プロになりたい という意思でレッスンを受けていたので、先生の言葉は大変厳しいものでした。 今、思うと先生は、わざとそういう情景を子供の私に見せて、怯えて止めると言い出さないか 試したのでしょう。 レッスンで先生が発する言葉はとても厳しかったけれど、私は「怖い」とは思いませんでした。 却って「きちんと音楽を勉強するということは、これほど厳しいことなのだ」という事実に 感動してしまい、ますます、トランペットのレッスンを受ける決意をしました。 「管楽教育研究所」は良心的で、レッスン料も高くありませんでした。 ◆レッスンは、厳しかったけど楽しかったのです。 先生は決してヒステリックではないけれど、趣味であろうが何だろうが、 「トランペットを吹く限り、いい加減な吹き方は許さない」 という姿勢でした。ミスが連続すると 君、そういうのをね。「デタラメ」っていうんだよ。 金管は吹いている間に呼気の水分が水滴になり管に溜まるので、頻繁に水抜きをする為のキーがあるのです。 吹くのに夢中で水が溜まったままでいると、 君さ。水抜きしなさいよ。そういう汚い音で吹いていて平気なのかな? 今のようなデジタルは勿論当時ありませんが、アナログのチューナーがありました。音程が揺れると メーターの針が左右に振れるので、一目瞭然です。それに向かって長い音を伸ばす「ロングトーン」を 試したら、微妙に左右に振れているのです。そうしたら、 君、ロングトーンの練習が足りないよ。メロディーなんか、後だ。まずは真っ直ぐ吹けるようになりなさい。 レッスンで毎回注意されることの方が多かったけれど、それで嫌になったことは 一度もありません。むしろ「正しいトランペットの吹き方を教わっている喜び」の方が大きかった。 やはり、好きだったのだろうと思います。 ただ、暫くレッスンを受け、比較的安定した良い音がでるようになったとき、先生は うん、男らしい、良い音だぞ。 と、初めて褒めて下さいました。あの時の嬉しさは忘れません。 ◆死ぬ前に(大袈裟ですが(笑))もう一度、トランペットを吹きたい、と思いました。 その後の30年の紆余曲折を詳しく書いたら、長くなりすぎます。 ◆昨日、楽器屋に寄りました。 そこで、昨日、会社から帰る途中、お茶の水駅近くの管楽器店に入りました。名前は伏せます。 ありがとうございました。よろしくご検討下さい。 と、至って丁寧でしたが、太ったオールバックの、モミアゲの長い店長は遂に無言のままでした。 私は、馬鹿だなあ、と思いました。 中年のオヤジが、何十年ぶりかにトランペットを買おうか、と言っている。 いくら現時点では初心者同様でも、学生よりはおカネがあります。 うまく私をおだてれば、高い楽器を買うかも知れない。 絶好の「カモ」です。 こういう客に「いらっしゃいませ」も「ありがとうございました。」も言わず、 店内でも一言も口を利かない、というのは、やる気がないのです。 客商売というのは、よく言われるとおり、客の信頼を得るまでには大変な努力を要しますが、 一瞬の失敗で長年のお得意さんの信頼を失うこともあるし、新規の顧客の獲得に失敗するのです。 若い店員さんには悪いけど、もしも、私が本当に楽器を買うことを決意しても、あの店では買いません。 逃した魚は大きいぞ? 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2009年07月30日(木) 【差替】【音楽】久しぶりに音楽いきます。お薦め「序曲集」。/音楽、説明をかなり追加。
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