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2009年07月30日(木) |
【差替】【音楽】久しぶりに音楽いきます。お薦め「序曲集」。/音楽、説明をかなり追加。 |
◆【追加】音楽とコメントを追加しました。
このエントリーは、木曜日の夜に更新するつもりだったのですが、疲れて寝てしまって、金曜の早朝に慌てて
更新したので、私の書きたい事を書けず、もっとご紹介したい音楽があったのに、載せられませんでした。
それらを追加して、差し替えました。
◆色々な指揮者・オーケストラによる、オペラ序曲集。お得だと思います。
今日、お薦めするのは、ドイツ・グラモフォンから出ている「名序曲集」という色々な指揮者・オーケストラによる演奏を集めた、
所謂「オムニバス」なのですが、聴いてみたら、クライバー、アバド、カラヤン、バーンスタイン、ガーディナーがそれぞれ一流のオケを
振ったもので、収録されている曲も全て楽しいので、敢えてお薦めします。
2枚組で1,300円ぐらいです。内容から見て損はない、と思います。
◆さっそく、一部お聴かせします。
全部名曲ですが、今まで、このブログでご紹介したことがないものをご紹介します。
まず、グルックという作曲家の歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」序曲。
グルックはこれだけ、とは言いませんが、「オルフェオとエウリディーチェ」が一番知られています。
グルック 歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」序曲ガーディナーという、有名な(んです)指揮者で、イングリッシュ・バロック・ソロイスツの演奏。
Orfeo ed Euridice
キリっと引き締まって、堂々とした良い曲だと思います。
次は、大変珍しいというか、失礼ながら、この一曲だけで歴史に名を遺している、レズニチェクという作曲家の
歌劇「ドンナ・ディアナ」序曲です。他にも沢山書いているし、この曲立派な作品なんですが、レズニチェクというひとは、
兎に角、この曲だけで知られています。
レズニチェク:歌劇「ドンナ・ディアナ」序曲。ネーメ・ヤルヴィ指揮、エーテボリ交響楽団です。
Donna Diana
いいとおもうのですけどね。この人は交響曲なども書いているのですが、「ドンナ・ディアナ」序曲だけ、知られています。
このアルバムは2枚組です。1枚目の最後。
ブラームス「大学祝典序曲」。ブラームスが或る大学から名誉博士号を貰ってその返礼として書いたのですが、
その大学の4つの学生歌を使って書いているのです。ブラームスの管弦楽曲としては有名なのですが、
本人は「スッペ風接続曲だ。」(そんなこと言ったら、スッペに悪いと思うのですが)とあまり満足していなかったそうです。
私と同じ世代の人は「大学受験ラジオ講座」のオープニングに使われていた曲、というと、お分かりになるでしょう。
ブラームス「大学祝典序曲」。バーンスタイン=ウィーン・フィルです。
Academic Festival Overture
良いでしょ?
◆バーンスタイン「キャンディード」他。
2枚目には、作曲家でもあった、レナード・バーンスタイン自身の曲が収録されています。
ミュージカル「キャンディード序曲」。バーンスタイン指揮、ロンドン交響楽団です。
Candide Overture
こういう音楽はそれまで存在しなかった。あたかもジェットコースターに乗っているかのように、
音楽の風景が変化します。天才ですね。
次は、昔から知られた、グリンカ「ルスランとリュドミラ」序曲です。
元々ピアニストのプレトニョフという人が、ロシア・ナショナル管弦楽団というオーケストラを指揮しているのですが、
兎に角速い。速ければいいというものではないですが、これだけ速くて正確だと、気持が良いです。
グリンカ「ルスランとリュドミラ」序曲。ミハイル・プレトニョフ指揮、ロシア・ナショナル管弦楽団です。
Ruslan and Lyudmila
この曲を猛烈なテンポで演奏する、というと今まで有名だったのは、ムラヴィンスキーという指揮者が旧レニングラード・フィル
(現・サンクト・ペテルブルグ・フィル)を指揮したライブ録音だったのです。最初、冗談か?と思うほどのスピードでしたが、
何度も聴いているうちに、慣れました。しかし、これに匹敵するテンポで演奏している例はあるまい、と思っていたのですが、
プレトニョフ=ロシア・ナショナル管弦楽団は、ほぼ同じテンポです。驚きました。
比較するために、ムラヴィンスキーの演奏も載せておきます。
エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮、レニングラード・フィルによる、「ルスランとリュドミラ」序曲
ダウンロード RuslanLyudmila.mp3 (4570.3K)
これは、ライブですから、正真正銘一発で録音したものですね。音質はやや劣りますが、すさまじい迫力ですね。
◆【追加】同じヴェルディでもこれほど違う。「運命の力」「椿姫」それぞれに序曲。
ヴェルディという作曲家は、多くのオペラを書いていますが、このCDには、同じヴェルディが書いた、全く対照的な音楽が収録されています。
一つは、歌劇「運命の力」序曲です。
オペラの内容そのものに関しては、リンク先からウィキペディアの記述をお読み下さい。
「運命の力」序曲は金管による3つの音で始まります。強烈な印象があります。その後、オペラの序曲の定石として、本編で使われる
主なテーマが含まれていますが、全体として、非常なクライマックスを迎えて終わる名曲です。
オーケストラ・コンサートでもしばしば、演奏されます。
この曲を、ジュゼッペ・シノーポリ指揮、フィルハーモニア管弦楽団の演奏で、お聴き下さい。
ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲
La Forza del Destino
このアルバムから離れますが、昔の指揮者でトスカニーニという人が、「運命の力」序曲を振った映像が、
YouTubeにあるので、貼っておきます。明らかに解釈が違う。
どこが違うのか具体的に細かく「指摘」できなくても、「違う」ということが分かるだけで、面白いです。
Toscanini FORZA Overture
これもまた、すごい迫力。「熱演」という言葉がぴったり当てはまります。
さて、同じ作曲家ヴェルディの数あるオペラの中でも、最も人気が高い作品が、
「椿姫」La traviata(ラ・トラヴィアータ)です。
ストーリーを非常に簡略化すると、こうなります。
高級娼婦のヴォオレッタというヒロインが貴族の
アルフレードに見そめられるのですが、やがて、アルフレードは、父親に連れ戻されてしまう。
しかし、アルフレードのヴィオレッタへの本当の愛の深さを知った父親はアルフレードがヴィオレッタの元に
戻ることを許します。しかし、何とヴィオレッタは肺結核に冒されており、アルフレードが戻ったことを喜びながらも、
悲嘆にくれながら、息を引き取る。
これだけの話をオペラは2時間半ぐらいに引き延ばすのですから、大変です
(オペラの台本の「文学的価値」はごく一般的にいうと、あまり、大したものではないのです。少なくとも私はそう思っています)。
1990年のハリウッド映画、リチャード・ギアとジュリア・ロバーツ主演の「プリティ・ウーマン」で、
最初は、街娼だった、ジュリア・ロバーツが、段々と洗練され、リチャード・ギアが彼女にオペラを
見せてやるシーンがありました。あの映画中「上演」されていたオペラが、
この「椿姫」でした。つまり、娼婦だったジュリア・ロバーツと、「椿姫」のヒロイン、ヴィオレッタは、重なっている訳です。
ジュリア・ロバーツは初めてみるオペラなのに、感動のあまり涙しますが、この演出上の趣向に多くの人は気が付かなかったようですね。
それは、さておき、肝心の音楽。カルロス・クライバー指揮、バイエルン国立歌劇場管弦楽団の演奏でどうぞ。
「運命の力」とはあまりにも、対照的なはかなく、美しく、静かな音楽です。
ヴェルディ: 歌劇(椿姫)」 第1幕への前奏曲
La traviata
綺麗ですね。
このオムニバスアルバム。所謂「泰西名曲」ですが、バカにしたものじゃないです。カラヤンとか、アバド、とか振ってます。
それでは、失礼します。
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