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2010年07月15日(木) |
【音楽】7月16日はカラヤン(1908〜1989)の命日です。ハイドンとブラームス。 |
◆アンチ・カラヤンは、本当に色々聴いて、見ているのでしょうか。
ネットでブログや、最近流行のTwitterなど見ていると、昔からいますが、
「カラヤン」というだけで、敵愾心を剥き出しにする人を見かけます。
本当に分かっているのかな?と思います。私は、カラヤンが名マエストロだと思いますが、
これも、本当に分かってはいない。観念的に分かっているだけです。
分かる為にはそれなりの音楽的資質と、訓練を受けていなければならないと思います。
だから、私も、本当にカラヤンの音楽家としての能力や業績の偉大さを理解しては、いないのです。
しかし、凡人でも、明らかに凄い、と納得することはあるのです。
以前、紹介した、DVD「ドキュメント・カラヤン・イン・ザルツブルク」に収録されている、
ザルツブルク音楽祭前の、ウィーン・フィルとの「タンホイザー序曲」のリハーサルの様子です。
TannhauserOvertureRehearsal(1/2)
練習を始めてわずか6秒後、
1拍目の前に既に弾き始める人たちがいる。
その結果まだ弾いていない他の人といっしょになって全体がグリッサンドのようになってしまう。
と指摘し、さらに、
どの小節でも最後の二つの音を速く弾く人がいて1拍目に早く入ってしまう。これははっきりしている。
その結果1拍目にアクセントがついてしまうが、これは誰も 全く要求していないことだ。
白状しますが、私はを何度聴いても、カラヤンが指摘している問題点を認識することが出来ません。
プロの指揮者なら誰でも出来る、という次元ではない、と思います。
繰り返しますが、こういう映像を知らないで、「カラヤンはひどいから」などという若い人。
いけませんぞ。「有名だから」「金持ちだから」という先入観に囚われては。
カラヤンが「金持ちだから」その音楽は大したことはない、という主張はそもそも全く論理を成していません。
そんなことは、関係無い。単なる「嫉妬」に過ぎません。
◆カラヤンの十八番(おはこ)はR・シュトラウスやワーグナーばかりではありません。ハイドン。
R・シュトラウスの交響詩やワーグナーの楽劇は、確かにカラヤンが得意とする作品群ですが、
カラヤンのレパートリーは驚くほど広いのです。大編成でガンガン鳴るのは、カラヤン=ベルリン・フィルを聴く
醍醐味でありますが、カラヤンのバッハ、ハイドン、ヘンデルの演奏が素晴らしいことは意外に知られていません。
昨年はブランデンブルク協奏曲や、ヘンデルの合奏協奏曲のほんの一部を載せました。
これらは、またご紹介したいのですが、今日は、ハイドン。
ハイドン 交響曲第101番「時計」第二楽章。
Haydn Symphony No.101 Andante
この楽章など、技術的にはベルリン・フィルに限らず、プロのオーケストラならば、難しいことは無いでしょう。
しかし、私は、ずっと前にテレビのドキュメンタリー番組で、カラヤンがベルリン・フィルと、
この楽章を練習をしている映像を見たことがあります。カラヤンは「時計」の由来となった、
第二ヴァイオリンとチェロによる、ピチカートの「刻み」に注文をつけていました。
君たち(ベルリン・フィル)はこのシンフォニーの『時計』というニックネームをどう考えているのかね?
君たちのは、まるで「クオーツ時計」なんだよ
と。私の想像でしかありませんが、カラヤンは、
君たちは、あまりにも簡単で単純な譜面なので、あまり考えずに単純に繰り返しているだろう。
旋律をよく効けば、同じピチカートの繰り返しにはならないはずなのだ。
と言いたいのではないか、と思いました。
こんな簡単なことにでも、カラヤンはベルリン・フィルに注文を付けるのか、
と、感動したのを覚えています。
CDは、ハイドン:交響曲第94番&第100番&第101番です。
◆ブラームス 交響曲第一番 第四楽章
カラヤンはブラームスでも名演をのこしています。
ブラームスの交響曲第1番がコンサートのプログラムにあるとき、殆ど必ず書かれているのは、
ブラームスは、この交響曲を書こう、と決心してから完成させるまでに21年かかった、という話です。
よく言えば、彼は音楽に真摯であったということですが、普通に言えばクソ真面目なんですな。
彼の前にはベートーヴェン大先生が九つの交響曲の名曲を書いてしまったので、自分が書くからには、
それを凌駕するものでなくては・・・、と言うわけです。ブラームスの交響曲は4番までしかありませんが、
2番以降は、数年で書いています。
1番はそういう次第で、出来上がるまで大変だったのですが、それだけのことはあって、
今や「不朽の名曲」として誰もが評価しております。良かったですね。
ただし、ベートーヴェンに比べると少し取っつき難いかもしれません。
あくまで私の場合ですけれども、小学生の頃、初めてブラームスの1番を聴いた時には
「何て退屈な曲なのだ」と感じたのを覚えています。しかし、何度も耳にしているうちに
次第に好きになりました。そういうことは、ブラームスに限らず、色々あるものです。
それでは、お聴き下さい。
ブラームス 交響曲第一番 第四楽章
Brahms Symphony No.1 Finale
曲の終わりに近づくと、次第にテンポが速くなり、クライマックスで金管の荘厳かつ華麗なコラールが朗々と
鳴り響きます。ここで私はゾクゾクっとします。後はコーダですが、ティンパニの強打がズシンと肚に響きます。
最後は名演だと本当に感激します。素晴らしい名曲です。
CDは何とブラームスの交響曲4曲が全て収録されて2,000円台、
ブラームス:交響曲第1番&第2番&第3番&第4番がお薦めです。
今日はカラヤンの命日で、カラヤン特集ですが、ブラームスの交響曲は、星の数ほど録音がありますので、
お気に召したら色々な人の演奏と聴き比べるのも、また一興です。
ブラームスは勿論ドイツの作曲家ですが、フランス人の指揮者とオーケストラ、
シャルル・ミュンシュ=パリ管弦楽団のブラームス1番が、「不滅の名演」として有名です。
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