JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事:40代自殺の増加幅最大=20〜30代は過去最悪−12年連続3万人超・警察庁(5月13日10時14分配信 時事通信) 警察庁は13日、昨年自殺した3万2845人の年齢や動機などをまとめ、発表した。 ◆コメント:自殺がなくなることは永遠に無いでしょうが、12年連続3万人超という先進国はないですね。 まず上の記事で、色文字にしたところ、について一言だけ。 動機は「うつ病」が最も多かったが うつ病が「動機」ということは無いです。うつ病が自殺の「原因」になることはありますが、 うつ病が自殺の「動機」だとしたら、 自分はうつ病だから自殺する と言い残して自殺した人がいる、と言う意味です。そういう人はいません。この記事書いた記者、不勉強です。 マスコミの人、後でもう一点書くけど、もう少し勉強してくれないかな。 マスコミ精神医学という本があることすら、知らないでしょう? それ以外ならば、野村先生という方が、日本に於けるうつ病治療の大家です。野村先生の本は全部分かり易い。 うつ病をなおす、精神科にできること、「心の悩み」の精神医学 、 ここまでは、素人向けに特に分かり易く書いていますが、もう少し「哲学的に」うつ病を考察した、同じく野村先生の、うつ病の真実、 そして、これは本来医学生が読む本でしょうが、標準精神医学 第4版、これは精神医学の教科書です。 私は遷延性のうつ病患者で、今は私は大丈夫ですけれども、軽いうつ病の人でも一見普通ですが、実は かなり、頑固な「希死念慮」(自殺願望)を持っています。程度の差こそあれ、希死念慮はあるのです。 それが、うつ病の「症状」の一つで、それが原因で自殺をするということは、あり得る。 ですから、うつ病が動機で死ぬのではありません。 うつ病には、何も外的要因(人間関係、経済的な悩み、病気の心配)などがなくても自然に起きてしまう「内因性」と、 職場での異動や、引っ越しや出産など環境の変化など、外的な要因により発症したと推定される外因性があります。 いずれにせよ。 この統計は警察庁があくまでも「統計」として発表しているもので、「統計」に文句を言っても 仕方がないのですが、私は だからどうしろというのだ? と言いたくなります。自殺が全てうつ病によるものではないとしても、かなりの人が、 本来、治療を受けるべきなのに「精神科」の患者になるのが嫌で、受診せず、症状が悪化しているような、 これはあくまでも私の勘ですが、そういう気がします。 精神科の治療は面談(精神科では診察に相当する治療行為を「面談」といいます)と、 薬の処方を受けることです。精神科の薬を総称して「向精神薬」(統合失調症の治療薬、抗精神病薬と 混同しないこと)といいますが、を、根拠も無く怖がる人、また、無責任なデマを掲示板に書き込む人が いるのは残念です。以前見かけたひどいのは、 精神科の薬は皆、要するに覚醒剤で、飲み続けると廃人になる。 というものでした。全然違います。覚醒剤はアンフェタミン、又はメタンフェタミンというドーパミンを作動させる薬ですが、 抗うつ薬は脳内神経伝達物質の中で特に、セロトニン、ノルアドレナリン(=ノルエピネフリン)を増やすというか、 活性化させる効果を目指したものです。勿論廃人云々はデタラメです。 これが、私が過去に書いた全ての記事、約2700本(今日で2695本目でした)の見出しです。 これらは、全部、私がうつ病を発症した後に書いたものです。この間、ずっと抗うつ薬を服用しています。 中には、数本、やや大袈裟にかくならば、「錯乱状態」見たいな取り乱した文章がありますけど、 普通の健康な人だって、無性にイライラしてヒステリックになることはあるのではないでしょうか。 兎に角、抗うつ薬を10年飲み続けている人間の文章を読んで頂き私が「廃人」かどうかご判断頂きたい、 と思います。もし私が「廃人」ならば、世の中のかなりの人は、「廃人」に分類されると思います。 誰でも憂鬱になることはあります。それが人間ですが、普通の憂鬱と、うつ病における抑うつ感との違いは、 うつ病になると、「ずっと憂鬱」のままになるということです(最近非定型うつ病という概念がありますが、診断名として確立していません)。 今日はゆううつだけど、一晩寝たら治った、というのなら、大丈夫です。一週間も二週間も朝から晩まで憂鬱だったら、 ちょっと気をつけた方が良い。ベックのうつ病調査票というものがあります。 他人様のサイトですが、リンクを貼らせて頂きます。 こちらにもこちらにもこちらにもあります。 それぞれのサイトに判定結果の見方の説明があります。数日、間隔を置いて、何度か試して、 これは、あくまでも私の経験から申し上げますが、20を超えるようなら、精神科を受診した方が良いです。 最近「メンタルクリニック」って普通に有りますよ。こそこそ来る人などいません。怖いところじゃないです。 カウンセリングで治したいという方。大抵物凄く混んでいて、最初のカウンセリングが1ヶ月後、2ヶ月後、ということ、 ザラです。しかも医療行為ではないから、健康保険適用外だから30分ぐらいの面談で5,000円、1万円とられます。 おカネのことはともかく、もしも本当に「うつ病」を発症していたら、或いは発症しかかっているなら、1ヶ月の間に 症状が急に悪化するかも知れない。こういう時が危ないのです。まだ、自殺するエネルギーが残っているから。 本当のうつ病の急性期は、寝ているしかなく、自殺するエネルギーすらないので、却って安心です。 うつ病発症後のまだ軽症の段階と、回復期に希死念慮がのこっていて、エネルギーが回復してきたとき。 これが一番危険な時期です。うつ病に起因する自殺を減らそうとするならば、 こういうことを、もっと啓蒙するべきだと思います。 内閣府は、自殺対策ホームページを設置していますが、 このサイトをみても、私が今書いたようなことが、パッと分かる構成になっていません。 眠れてますか? という箇所を開くと、解説映像を見るか、精神科医への長いインタビューを読むことになる。 本当に抑うつ状態の人にとっては、面倒で、見る気がしない。健康な人が「うつ病概論」を知るためには 使えるでしょうけど、ヤバい状態のひとには、それこそ「ベックのうつ病調査票」をすぐに試せるようにしておいて、 何点以上なら、精神科を受診しましょう。貴方の自宅の近くの精神科をすぐに調べられます。という構成に した方が、実用的だと思います。 ◆昨年2月から警察庁は毎月の自殺者数を発表していますが、何ら自殺抑止効果を発揮していません。 これは、私が昨年書いた記事です。 2009年02月17日(火) 「景気悪化で月別の自殺者数公表」←毎月公表することに自殺抑止効果があるだろうか。(ココログ) 私は、効果はないだろうと書きました。昨年の自殺者数は12年連続で3万人を超えました。 やはり効果は無かったと考えざるを得ません。 自殺者数ぐらいなら、まだしも、自殺対策の政府の担当者やマスコミの人々は、邦訳された、 WHO による自殺予防の手引き を熟読してほしいものです。この文書には、【マスメディアのための手引き】という項目があり、 自殺報道で注意すべき点に言及しています。そのひとつは、 自殺手段やその入手方法を詳しく報道するのは避ける。メディアによって報道された自殺方法が、それに引き続く自殺でもしばしば模倣されることを明らかにしている研究がある。 昨年の記事にも書きましたが、練炭自殺とか硫化水素自殺が続いたとき、私はマスコミ報道が影響しているのだろう と思いました。その時に読者の方からコメントを頂いて、「WHO による自殺予防の手引き」の存在を知ったのですが、 正に、自分の考えていたとおりでした。私でなくても常識的に十分想像出来ることだと思います。 自殺件数は、自殺手段ではないけれど、あまり毎月何千人自殺した、と書くと、「じゃ、俺も」となりかねない。 毎年、日本では3万人以上の人が自殺し、それが12年も続いているという深刻な事実は、社会全体が認識する べきですが、必要以上に詳細な自殺に関する統計を発表したり、事実を報道することは、 自殺を予防するどころか助長している恐れがあります。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2009年05月13日(水) 小沢一郎がどうなろうが知ったことではないが、小沢及び民主党の最大の愚は岩國さんを重用しなかったことだ。
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