外国為替証拠金取引
JIROの独断的日記
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2008年05月13日(火) 「大手消費者金融などに総額約17億円請求 過払い金返還求め940人一斉提訴」←そもそもどうしてサラ金から借りたのですか?

◆記事1:大手消費者金融などに総額約17億円請求 過払い金返還求め940人一斉提訴(5月13日11時24分配信 産経新聞)

利息制限法の上限金利(年15〜20%)を超える金利を払わされたのは違法だとして、20都道府県の債務者約940人が13日、

大手消費者金融やクレジット会社など98社に総額約17億5300万円の過払い分の返還を求める訴えを東京地裁など各地の裁判所に一斉提訴した。

全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会の呼びかけによる一斉提訴は6度目。平成16年からの請求総額(訴訟外での請求を含む)は約242億円に上っている。


◆コメント:サラ金が「グレーゾーン金利」でカネを貸していることは、以前から常識。

貸金業者の貸出金利に関係する法律は2つありますね。

一つは、記事にも書いてある「利息制限法」です。

第一条にはっきり利息上限が書いてある。

第一条  金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約は、その利息が左の利率により計算した金額をこえるときは、その超過部分につき無効とする。

元本が十万円未満の場合          年二割

元本が十万円以上百万円未満の場合     年一割八分

元本が百万円以上の場合          年一割五分

2  債務者は、前項の超過部分を任意に支払つたときは、同項の規定にかかわらず、その返還を請求することができない。

気をつけるべきは、第2項ですね。利息制限法で一応上限は定めているけど、それを超えた金利で金銭消費貸借契約を締結してしまったら、

「任意で、利息を支払っている」と見なされてしまうわけ。

今回、消費者金融を訴えた、940人の債務者は、「借りるときにそんな話を聞いていなかった」というのでしょうが、

ちょっと調べれば分かる話なのです。

それはさておき、「グレーゾーン金利」という金利水準があります。


これがちょっとややこしいのですが、出資法(出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律)という、高利貸しを牽制する法律があります。

この法律の第五条第二項は次の通り。
2  前項の規定にかかわらず、金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において、年二十九・二パーセント(二月二十九日を含む一年については年二十九・二八パーセントとし、一日当たりについては〇・〇八パーセントとする。)を超える割合による利息の契約をしたときは、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。その貸付けに関し、当該割合を超える割合による利息を受領し、又はその支払を要求した者も、同様とする。

金利が漢数字で書いてあるので分かりにくいけど、要するに上限は年率29.2%です。


殆どのサラ金は、利息制限法の上限を超えた金利を設定し、それは契約書に書いてあるから、借りた人が「任意で支払う利息」である、と云うわけです。

しかし、どんなに高くしても出資法の29.2%を超えることは(本当の闇金とかのことは私も知りませんが)ない。

それをやったら
「五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」

とあります。
この、利息制限法の上限を超え、但し出資法には抵触しない範囲が「グレーゾーン金利」です。

グレーゾーン金利でサラ金がおカネを貸しているのは、ずっと前から、サラ金問題ではほぼ常識。


◆サラ金けしからん、というけれども、街にあれほどサラ金が存在し続けるのは何故でしょうか。

世の中に存在するものには、それなりに理由があります。必要とする人がいるから存在するのです。

サラ金が、それほどの「悪者」なら、何故、この世から無くならないのか。

サラ金からお金を借りる人が絶えないからです。

サラ金からおカネを借りる人の中には、色々な不幸が重なって、どうしても銀行その他まともな金融機関からもお金が借りられない、

という人がいる一方で、カードの使いすぎ。パチスロや競馬(要するにギャンブル)で、手持ちのおカネを使ってしまって、

サラ金で借金して、そのカネをスッてしまったのに、それでも、パチスロが止められず、更に借り足してバクチを止めない、

という、はっきり云って「だらしのない人」もいるでしょう。



私は、そういう人は、仮にサラ金が「利息制限法」に定められている金利を守ってお金を貸してもきっと延滞すると思います。

まっとうな、カタギの生活を送っている人はサラ金が街で配っているティッシュペーパーだけ、有難く頂戴するものの、

サラ金にお金を借りに行くことは無いと思うのです。

冒頭の産経新聞の記事では、サラ金「だけ」が悪者扱いですが、940人もの債務者が、どうしてサラ金からお金を借りるハメになったか。

それも調べて記事に含めないと不公平だと思います。


但し、ちょっと問題が逸れますが、大手銀行がサラ金を傘下に組み入れたのは大きな間違いだと思います。

三井住友銀行系列のプロミスというと、なんだか、サラ金から借金する事への罪悪感、後ろめたさが減少するからです。

それはさておき。

最後にもう一度書きますが、お金を借りるときに金利は明確に呈示してあったはずです。それに同意して契約をしておいて、

後から、「支払った利息を返せ」というのは、本当は図々しいのです。

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